【シャニマス】ゼンマイリピート 七草にちか
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2:吹き矢[sage saga]
2023/04/07(金) 15:09:22.69 ID:laNpeqI/0
宝石《ダイヤ》はひとたび砕けてしまえば、もう二度とその輝きは発しない。
 EはTに。カットはpoor。透明度? I2。ブルーに光るなんて醜い。
 アイドルもそうだ。
 幸せもそうだ。
 砕けたものは、輝かない。
 私はそれを知っているから。
 知ってしまったから。
 だから、今の私は
 継ぎ接ぎだらけのイミテーション。
 
 七草にちか 283プロ所属 ユニットSHHis
 彼女は決して多を圧倒する優れた才能の持ち主ではない。SHHis・緋田美琴の優れたパフォーマンスの輝きに隠れていると言ってもいい。
 だけど色は濃い。一切の偽りなく等身大のまま、彼女はその魅力を僕たちに届けてくれる。作られた笑顔ではなく、心の底から人を小馬鹿にし、人を嘲笑い、それでいて激しく後悔を抱く。
 スターはよく作られるものだと言うが。だが彼女は作る必要などなく、本来の気質だけで人々に好かれてきたのだ。無論そのスタイルがゆえに時に反感を買い、一部では好まない者もいるのは事実だ。
 しかし、彼女は僕たちにとって、何一つ変わらない、平凡なその姿のままで居てくれるのだ。そう。道を歩けば、其処らで友人とカフェをしたり、雑誌で占いはどうとか語ったり、同校の生徒やはたまた禁じられた恋、そんな日々を過ごすような子達の一人だ。
 その姿の少女が——普段、あなたが気にも留めない、街で歩く少女が、ステージの上では果てしない、見たこともない強い強い色で、輝きを放つのだ。
 目が眩むだろう、頭はどろどろだ。
 そうだ、日常性という淑女が孕んだ突発性な悪魔的アイドル。それが彼女だ。
 さて、その輝きを放つために、果たしてどれだけの時と労力を費やしたのだろうか。分かるまい。僕も分からないからね。
 原石《ダイヤモンド》でなかった者が、偶像《ダイヤモンド》に憧れ、本物《ダイヤモンド》になったのだ。それは並大抵の者にはできないだろう? 途方もない道のりだったはずだ。だが彼女は諦めないのだ。夢を叶えるために、夢を見続けるために。
 平凡な女子高生が持っているとは到底思えない、その精神こそが、悪魔の彼女の一番の魅力なのだろうと、僕はそう思う——


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