185: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/19(木) 11:14:16.81 ID:aJfxqeWu0
■ChapterΔ009 『ミア・テイラー』 【SIDE Yu】
クリスタルケイヴでの試合を終えて、ツシマ研究所に戻ってきた私たち。
せつ菜「とりあえず……これから、どうしましょうか」
侑「レックウザを封印しに行く……のかな……?」
「ブイ?」
栞子「そうですね……。ランジュがこれ以上、龍神様に関わる気がないのなら……そうなると思います」
かすみ「でもでも……あのランジュ先輩が、こんな簡単に諦めるんですかね……?」
確かに、なかなか話を聞いてくれなかったランジュちゃんが、突然レックウザ捕獲の挑戦権を放棄してしまったのは、今でも信じられないけど……。
栞子「ですが……宝珠はここにあります」
栞子ちゃんは今まで使っていた“もえぎいろのたま”とは別に、ランジュちゃんが捨ててしまった“みどりいろのたま”も持っていた。
栞子「宝珠がなければ……結局、龍神様に龍脈のエネルギーをお返し出来ませんし……エネルギーを返さないと捕獲も出来ません」
歩夢「そもそも、そのために龍脈のエネルギーを集めて回ってたんだもんね……」
ランジュちゃんが宝珠を捨ててしまったと言うことは、本当にレックウザを捕獲する気を失くしたのと同義だ。
かすみ「まあ、ランジュ先輩が何考えてるかはわかりませんけど……とりあえず、解決したってことでいいんじゃないですか?」
かすみちゃんはあっけらかんと言うけど、それに対してしずくちゃんが──『それでいいのかな……』と心配そうに返す。
かすみ「でも、これで後はレックウザをもう一度しお子が封印すればいいんでしょ?」
──『それはそうかもしれないけど……』としずくちゃん。
せつ菜「ところで……レックウザは今どこにいるんでしょうか?」
栞子「それはわかりませんが……恐らく、まだ私たちの行っていない龍脈の地にいると思われます」
歩夢「龍神様も龍脈の地を目指してたの……?」
栞子「龍神様も龍脈からエネルギーを吸収することは出来るので……本来は自分の持っていたエネルギーですし。ただ、宝珠ほど効率がいいわけではないので……」
せつ菜「つまり……いつまでも放っておくと、龍脈のエネルギーを集めきって、完全復活してしまうということですね」
栞子「そういうことになります。恐らく、宝珠で集めた龍脈とは逆順で巡っていると思うので、このまま反応を追っていけば、龍神様とはどこかで鉢合わせることになると思います」
せつ菜「私たちの目的は捕獲ではありませんでしたが……レックウザを見付けるためには、どちらにしろ龍脈を巡る必要があったということですね」
かすみ「じゃあ、次の龍脈を目指しましょう! しお子、次の龍脈は──」
かすみちゃんがそう言いかけたところに、
善子「……余裕が出来たなら、一旦休んだ方がいいんじゃない? 貴方たち、ここ数日ずっと動きっぱなしでしょ?」
とヨハネ博士から一言。
かすみ「えー、でも善は急げって言うじゃないですか〜」
善子「準備を整えなさいって話よ。これから、そのレックウザと対面するんでしょ? 何事もなく、はいわかりましたって、また封印されてくれると思うの?」
かすみ「う……それは、確かに……」
善子「特に、歩夢としずくは一旦ゆっくり休みなさい。じっとしてろとは言わないけど、万全な状態じゃないんだから。リフレッシュも兼ねて1日くらい休息を取りなさい」
歩夢「は、はい」
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