15: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/12(木) 00:03:46.50 ID:7Lt++ad/0
■Intermission🎀
先ほどまで、猛スピードで音ノ木から落下していた私は──
歩夢「……ここって……」
「シャボ」
気付けば……洞窟のようなところに居た。
いや、ここは……前にも訪れたことがある……。
歩夢「……朧月の洞……」
「ピィ…」
気付けば私の足元にはピィが居て、ぴょこぴょこと跳ねながら鳴き声をあげる。
歩夢「また、あなたが助けてくれたんだね……ありがとう」
「ピィ…」
ピィは一鳴きすると、ぴょこぴょこと奥の部屋へと歩いて行く。
歩夢「……付いてこいってことかな……?」
私がピィの後を追っていくと──
「ピィ…」
歩夢「……え?」
ピィが心配そうに見つめる先に──
栞子「…………っ…………ぅ…………」
栞子ちゃんが倒れていた。
歩夢「栞子ちゃん……!!?」
私はすぐさま栞子ちゃんに駆け寄り、抱き起こす。
歩夢「栞子ちゃん!? 大丈夫!?」
栞子「……あな、たは…………あゆ、む……さん…………?」
栞子ちゃんは薄っすらと目を開けて、ぼんやりと私の名前を呼ぶ。
抱き起こした栞子ちゃんの身体は……すごく熱かった。
歩夢「栞子ちゃん、酷い熱……!」
栞子「…………あゆむ、さん…………」
栞子ちゃんが弱々しく私の袖を掴む。
栞子「…………わた……し…………ラン、ジュを……とめ……ない、と……」
歩夢「え……ランジュちゃん……?」
栞子「…………で、ない……と…………オトノキ……地方……が…………。…………」
その言葉を最後に──栞子ちゃんの腕が力を失って、落ちる。
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