607: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/04(水) 13:29:34.95 ID:2N444K9g0
カランと音を立てて、果林さんの持っていたナイフが地面に落ちる。
それと共に、果林さんが膝から崩れ落ちた。
果林「………………」
エマ「果林ちゃん……ここまでずっと……一人で頑張ったんだよね……偉いよ……」
エマさんは果林さんを抱きしめたまま、頭を撫でながら言う。
そして、そこにもう一人……。
彼方「……果林ちゃん」
果林「……彼方……」
彼方「……ずっと……ずっと……一人にして……ごめんね……。果林ちゃんと……ちゃんと向き合ってあげられなくて……ごめんね……」
果林「…………私……は……」
彼方「…………これからは一緒に考えよう……一緒に……みんなが笑顔になれる世界のこと……。……簡単じゃないのはわかってる……だけど、一緒に、ちゃんと……考えよう……わたしたちの世界のこと……」
そう言いながら、彼方さんも果林さんを抱きしめる。
すると──果林さんは、全身の力が抜けたかのように……エマさんと彼方さんにもたれかかる。
果林「…………彼方。……私……もう……疲れちゃった……」
彼方「……ごめんね……いっぱい、いっぱい……背負わせちゃって……。……でも、これからは一緒に背負うから……だから、今はもう……休んでいいよ……果林ちゃん……」
果林「…………うん……」
こうして私たちの死闘は──意外な形で……幕を閉じることとなったのだった。
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