581: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2023/01/04(水) 13:07:08.76 ID:2N444K9g0
刺激しすぎないように、僅かに口をもごもごと動かすと──
「──ジェルップ…」
口を塞いでいた触手が少しだけ浮く。
歩夢「…………そっか……君たちは……本当は、怖かっただけなんだね……」
「──ジェルルップ…」「──ベノメノン…」「──ジェルップ…」
歩夢「……ごめんね。……急に人が落ちてきたら……びっくりしちゃうよね。……攻撃されたのかなって思っちゃうよね……ごめんね……」
「──ジェルル…」「──ベノメ…」「──ジェルルップル…」
歩夢「……大丈夫だよ。……私は君たちに怖いこと、したりしないから……」
ウツロイドの触手を優しく握って、頬に寄せる。
「──ジェルルップ…」
歩夢「……ちょっとひんやりしてる……」
「──ジェルル…」
歩夢「……うん。……大丈夫だよ、怖くない……私は君たちの味方だよ……」
「──ジェルルップ…」「──ベノメノン…」「──ジェルルル…」
──
────
結局ウツロイドは、私に何もしなかった。
そのままゆっくりと洞窟の地面に、私を降ろしてくれた。
歩夢「ありがとう、ウツロイド」
「──ジェルルップ…」
私は地面に横たわり、未だ視界を埋め尽くすウツロイドたちを見ながら考える。
……恐らくこの後、毒で動けなくなるはずの私を、しずくちゃんたちが回収しにくるはず……。
なら、そのときを見計らって脱出を──そこまで考えて、首を振る。
歩夢「……だ、ダメ……それじゃ、しずくちゃんが果林さんに何されるか……」
「──ジェルルップ…」
歩夢「あ、ご、ごめんね……ちょっと考えごとしてて……」
私が首を振る動作でウツロイドを少し驚かせてしまったようだ。
もう一度、優しくウツロイドの触手を握って頬を寄せる。
「──ジェルル…」
すると、私が今接しているウツロイドが、私の頭にすっぽりと覆うように、頭に取り付いてくる。
歩夢「……その場所が落ち着くの?」
「──ジェルルップ…」
歩夢「ふふ、わかった」
「──ジェルル…」
ウツロイドも落ち着いたようだから、また考え始める。
……それにしても、こんな風に頭をすっぽり覆われた状態で、横たわっていたら……見た人は絶対、私が寄生されたって勘違いするよね……。
歩夢「……あ……」
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