48: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/17(土) 16:19:18.88 ID:Lud+ZHkk0
しずくちゃんの様子がおかしい。
まるで熱にでも浮かされているような、トロンとした瞳で──フェローチェを見つめている。
しずく「フェローチェ……! 私はそのポケモンにまた会いたいとずっと思っていたんです……♡」
果林「ふふ……やっぱり来たわね、しずくちゃん」
しずく「はい……♡」
かすみ「しず子、ダメ……! そっちに行っちゃ……!」
果林「いいわ。私の言うことを聞けるって約束してくれたら……たくさんフェローチェを──魅せてあげる」
しずく「本当ですか……♡」
しずくちゃんの表情がぱぁぁっと明るくなる。
かすみ「……っ……!! サニーゴ……! “パワージェム”……!」
「……サ」
かすみちゃんが、サニーゴをボールから出し──直後、ヒュンヒュンと光がフェローチェの方に向かって飛んでいく。
が、フェローチェはそれを軽々と脚で切り払うようにしてかき消す。
果林「まだ、立つ力が残ってるのね……」
かすみ「しず子は……行かせない……ぜ、ったいに……」
果林「……しずくちゃん、連れて行くには条件があるわ」
しずく「なんでしょうか……♡」
果林「あのうるさいのを──黙らせなさい。貴方の手で」
しずく「……はい、わかりました♡」
かすみ「え……」
しずく「インテレオン」
「──インテ」
ボールから出てきたインテレオンが──かすみちゃんに向かって指を向ける。
かすみ「うそ……だよね……? しず子……?」
しずく「……」
かすみ「負けないでって……言ったじゃん……! あんなのより、かすみんを見てって……言ったじゃん……!」
しずく「私の邪魔、しないで……──“ねらいうち”」
「インテ」
インテレオンの指から、音よりも速い水の弾丸が飛び出し──かすみちゃんの頭の左側に直撃する。
かすみ「っ゛……ぁ……」
侑「かすみちゃん!?」
着弾の衝撃で、かすみちゃんが石畳の上を転がる。
一拍置いて──カツーンと髪飾りが床に落下し、音を立てた。
791Res/1707.57 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20