312: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/26(月) 12:01:24.16 ID:9NVhM0zb0
■Chapter059 『裏側の世界』 【SIDE Kasumi】
──セキレイシティを発ったかすみんたちは、ただいま15番水道を目指して移動の真っ最中です。
鞠莉『あーあー……マイクテス、マイクテス……聞こえるかしら?』
耳に付けたイヤホンマイクから、鞠莉先輩の声が聞こえてくる。
かすみ「聞こえてますよ〜!」
理亞『聞こえる。問題ない』
ルビィ『大丈夫です!』
彼方『彼方ちゃんもおっけ〜。全員大丈夫そう〜』
鞠莉『Thank you. これで離れても連絡が取れるから、飛行中は外さないでね』
かすみ「はーい♪ それにしても、これ便利ですねぇ〜。いつでもかすみんの可愛い声をみんなに届けられちゃいます♪」
彼方『あはは〜そうだね〜』
理亞『……はぁ』
かすみ「む……誰ですか、今溜め息吐いたの!」
ルビィ『け、ケンカしないで〜!』
鞠莉『賑やかねぇ……。もう少しで15番水道に入るわよ。みんな、気を引き締めて!』
鞠莉先輩の言葉で前方に目を向けると──船の残骸のようなものが漂う海域が眼下に見えてくる。
理亞『船の墓場……』
ルビィ『ぅゅ……ここ、いつ来てもちょっと怖いかも……』
かすみ「ルビ子は怖がりだなぁ〜、飛んでれば問題ないって〜」
理亞『……ルビィ、かすみにルビ子なんて呼ばせてるの?』
ルビィ『え? よ、呼ばせてるというか……呼ばれてるというか……。……か、可愛くないかな……? ルビィは結構気に入ってるんだけど……』
理亞『年下でしょ? 舐められてるんじゃないの?』
ルビィ『舐められてるってことはないと思うけど……でも、ルビィこんな見た目だから……』
かすみ「むー、別にかすみんが、ルビ子のことどんな風に呼んでもいいでしょ!」
理亞『年上に対して敬意はないの?』
ルビィ『り、理亞ちゃん! ケンカしないでって……!』
な〜んか、やったら突っかかってきますねぇ……。
かすみ「はっはぁ〜ん……さては〜……」
理亞『何よ』
かすみ「理亞先輩ったら、かすみんがルビ子のこと、あだ名で呼んでるから嫉妬しちゃってるんですかぁ〜?」
理亞『はぁ!? 何言ってんの!? バカじゃないの!?』
かすみ「もう、そうならそうと最初から言ってくださいよ〜。理亞先輩も、りあ子って呼んであげますから〜。ルビ子とお揃いですよ〜?」
理亞『ちょっと今からあの子、撃ち落としてくる』
そう言いながら、理亞先輩のクロバットがこっちに方向転換して向かってくる。
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