275: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/25(日) 10:21:37.70 ID:PfMOWZim0
■Chapter058 『海の王子の御座す場所』 【SIDE Yu】
──セキレイシティを発ち、空を移動して小一時間ほど。
私たちはウラノホシタウンに到着していた。
果南「さてと……ここからは海の旅だけど、みんな準備は良い?」
善子「ちょっと待って」
肩をぐるぐる回しながら出発する気まんまんの果南さんを、ヨハネ博士が制止する。
果南「ん? なに?」
善子「装備……まだ、持ってないでしょ」
果南「え?」
果南さんは数秒フリーズしたのち──
果南「……やばい! 鞠莉に装備、貰い忘れてた……!」
そう言って頭を抱える。
善子「だろうと思って、私が受け取っておいたわよ……」
果南「おぉー! さすが善子ちゃん! 頼りになる!」
善子「だから、ヨハネだっつってんでしょ!!」
果南「ははー、ヨハネ様、感謝しております……!」
善子「わかればいいのよ」
侑「それでいいんだ……」
「ブイ…」
曜「あはは……」
ヨハネ博士が、ドンカラスの背に乗せていた大きな荷物から、さっき装備と言っていたものを取り出して配り歩く。
渡されたものを見ると……ウェットスーツやら、小さくてよくわからない機材がいくつか……。
侑「これは……?」
曜「それは“ダイビング”用のレギュレーターだね。これがないとポケモンが潜ったときに、私たちが息できなくなっちゃうから」
果南「しかも海水から酸素を作り出す、鞠莉の特製品だよ。人工エラ呼吸器だね」
善子「名前がダサい……」
果南「わかりやすくていいじゃん」
リナ『私もわかりやすくていいと思う』 || ╹ ◡ ╹ ||
曜「はいはい、名前はいいから、続きを説明するね。このレギュレーターには骨伝導イヤホンマイクも搭載されてて、これがあれば水中でも話が出来るんだよ」
侑「す、水中でですか!? すごい……!」
善子「水中では、コミュニケーションが取りづらいからね。こういうアイテムは必要なのよ。ただ、水中では電波減衰があって、距離が離れると使えなくなるから注意しなさい」
リナ『ちなみに今回は私が中継局になるから、多少は通信範囲が広くなってるよ』 || > ◡ < ||
侑「な、なんか……思った以上に大掛かりなんですね……」
果南「海の中は陸とは違って、人が普通に生きていける環境じゃないからね。このダイビングスーツも、保温や対水圧を考えて作った特注品なんだよ。もちろん、これも鞠莉のお手製!」
善子「“どうぐ”の博士やるのもいいけど……案外発明家とかの方がうまくいくんじゃないかしら……?」
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