侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」 Part2
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229: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/23(金) 02:22:21.56 ID:gk2TE+8k0

フローゼルが、“シュカのみ”を“かまいたち”で4つに切り分け、それをしいたけとフローゼルとムクホークが分けて食べる。

……小さな“きのみ”だから、割ったら一欠片くらいになっちゃうけど……。


 「ワフ」


その中の一欠片を、しいたけが咥えて、私の前に持ってくる。


千歌「私はいいよ。そんなにお腹空いてないから」


──ぐぅ〜〜……。


千歌「……」
 「ワフ」

千歌「……食べるね、ありがと」


どんなに強がっても、お腹の虫は誤魔化せないらしい……。


千歌「……食糧……どうにかしないと……水も……」


──私がここの世界に降りてきて、何日経ったっけか……。たぶん1週間以上は経っているはず。

ウルトラスペースに飛び出し、見つけたホールにフローゼルの噴射を使って飛び込んだはいいけど……そこは酷く荒廃した世界だった。

到着と同時にムクホークで何十キロかは飛んでみたけど……岩と崖と干上がった大地くらいしか見つけられなかった。

携帯食料はもうとっくに食べきってしまったし、水はフローゼルに貰っている分があるから今は大丈夫だけど……いくらみずポケモンでも補給なしでは限度がある。

むしろ今は水の節約のためにフローゼルはほとんど戦闘から外している。

なので今は攻撃をムクホーク、防御をしいたけが担う実質2匹態勢……。戦力面でもカツカツだ。

幸い、たまーに野生のポケモンがいるため、そういうポケモンを倒したときに落とす“きのみ”が今の食糧になっている。

ありがたいことに、潤沢とは言えないものの、“きのみ”からは最低限だけど水分も補給できるしね。

……本音を言うなら、もっと積極的に探索をしたいんだけど……この世界には困ったことにウルトラビーストもいる。


千歌「せめて、手持ちがみんな揃ってれば……」


ルカリオはコメコのロッジに置いてきちゃったし……。バクフーンとルガルガンは私に何かがあったときはボールに戻る訓練をしていたため、こうして手持ちにいるけど……ネッコアラにはそこまで訓練が出来ていなかった。

遺跡に置いてきてしまったネッコアラ……さすがに誰かが回収してくれているとは思うけど……。

そんなわけで、今私の手持ちは5匹しかいない。

……尤も、相談役から特別に支給してもらった、この特注ボールベルトがなかったら、今頃手持ちが1匹も居ない状態で途方に暮れていたんだろうけど……。

──ぐぅ〜……。

考え事をしていたら、またお腹が鳴る。


千歌「……とりあえず、今日はもう寝よっか……」
 「ワフ」


そう言うと、しいたけが私のもとに寄ってくる。もふもふの毛皮のお陰で、冷える荒野の夜でも、凍えずに済むのはありがたい。

明日も……水と食糧を探して、荒野を彷徨うことになる、体力は温存しておかないと……。


千歌「せめて町とかがあればなぁ……」


そんな淡い期待を抱きつつも……正直、この世界には文明があるかも怪しい……。

幸いなことに、“きのみ”を優先して食べさせていたバクフーンとルガルガンは徐々に回復してきているし……2匹が復活すれば、戦闘は多少楽になると思う。


千歌「でも……出来れば、ウルトラビーストとの遭遇は避けたいなぁ……」



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