193: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/21(水) 15:25:20.61 ID:/nLmInIK0
“ラスターカノン”が直撃し、吹き飛ばされるイーブイ。
私は身を起こし、無我夢中でイーブイの方へと走り出し、
侑「イーブイ!!」
ヘッドスライディングの要領で飛び付き、イーブイをキャッチする。
侑「イーブイ、大丈夫!?」
「ブィィィ…」
イーブイは力なく鳴くと──顔を少し上げ、口に咥えた小箱を私に見せる。
小箱は“ラスターカノン”に焼かれ、ぼろぼろになってしまったけど……原型はしっかりと保っている。
侑「イーブイ……偉いよ、ありがとう……」
「ブィ…」
私がぎゅっと抱きしめると、その拍子に焼かれて脆くなった小箱から──小さなバングルが零れ落ちた。
小さな……丸い宝石のような珠が嵌まった……バングル。
侑「……これは」
それは──前に見たことがあった。
これは……。
侑「せつ菜ちゃんが……着けてたものと同じだ……」
──そのとき突然、後襟辺りを何かに引っ張られる。
侑「わぁ!?」
「ライボッ!!!!」
それはライボルトだった。ライボルトが無理やり私を背に乗せ、猛スピードで駆け抜ける。
直後、私の居た場所に“ラスターカノン”が迸った。
侑「あ、ありがとうライボルト……!」
「ライボッ!!!」
あそこでぼんやりしていたら、今頃丸焦げだった。
それにしても……この小箱に入っていたバングル。
──果南さんはこれを鍵だと言っていた。
そして、宝箱の中に入っているアイテムは──私たち以外が持っていても意味のないもの、とも。
つまり、あの宝箱には……この鍵──キーと私たちしか持っていない何かに対応するアイテムが入っている。
そんなモノ──入っているのはアレ以外ありえない……!!
侑「ライボルト!! 宝箱だ!!」
「ライボッ!!!!」
ライボルトは私の指示を受けると、脚の筋肉を刺激し、稲妻のような軌道を描きながら猛加速する。
稲妻の速度でたどり着いた、宝箱の前で──バングルを腕に嵌めると、それに反応したかのように、宝箱がその口を開いた。
私は中にあった、2つの珠を掴み── 一つは、
侑「ライボルト!!」
「ライボッ!!!」
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