115: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/20(火) 00:32:32.82 ID:B+X5AS2s0
■Intermission👠
愛「航路安定、あと数日もしたらウルトラディープシーに到着すると思うよ」
果林「ありがとう、愛。姫乃、歩夢やしずくちゃんはどんな様子かしら?」
姫乃「特におかしな様子は見られませんね。歩夢さんは最初は脱出しようと、ポケモンを使っていろいろ試していましたが……壊すのは無理だと悟ったようで、今は大人しくしています。しずくさんは……まるで糸の切れた人形のようですね……。ずっと、ベッドに横たわったまま、ほとんど動きません……」
姫乃は監視カメラの映像を見ながら、二人の様子を教えてくれる。
姫乃「あれも禁断症状の一種でしょうか……」
果林「そうね……あとで少しフェローチェを魅せに行くわ」
しずくちゃんはフェローチェを使えば、私に従順に動いてくれる。
歩夢やせつ菜のような使い道はないけど……駒としての利用価値は十分にある。
愛「……ねぇ、果林。ウルトラディープシーに向かってるってことは、ウツロイドを使うの?」
果林「ええ。このままだと、歩夢は言うことを聞いてくれないでしょうからね」
愛「……たぶん、ウツロイドを使っても、歩夢は私たちに従うようにはならないよ? ウツロイドの神経毒は理性を麻痺させるだけだから、やりたくないことはさせられない……というか、むしろやりたくないことは絶対にやらなくなっちゃうし」
果林「別に私は歩夢をコントロールをしたいわけじゃないのよ」
愛「どゆこと?」
果林「ウツロイドの毒は、回り切れば人格そのものを破壊する。目的は歩夢のフェロモンなんだから、生きたまま物言わぬお人形さんにさえなってくれればいいのよ」
愛「……相変わらず、おっかないねぇ……悪人の鑑だ……。歩夢のエースバーンを怒らせて、燃やされないようにね」
果林「……? どういう意味……?」
愛「果林は“オッカない”からね。なんつって」
「ベベ、ベベノ♪」
果林「……」
“オッカのみ”はほのおタイプの攻撃を弱める“きのみ”だ。
わざわざそれを言うための振りをしなくてもいいのに……。
姫乃「……くだらないこと言ってないで、操縦に集中してください」
愛「“おぉっと”、残念!! “オート”操縦だ!」
「ベベ、ベベベノ♪」
愛「いやー、ベベノムはこんなに大爆笑してくれてるのにな〜」
姫乃「はぁ……どうして、上はこの人をいつまでも重用するんでしょうか……」
果林「……利用価値があるからよ。こんなでも、愛の頭脳は本物よ」
愛の科学力は研究班の中では頭一つ抜けている。いや……頭一つどころか、二つ三つは飛びぬけている。
結局、彼女がいなければ、ウルトラスペースを行き来する方法もここまで発展しえなかったのだ。
──尤も……あの事故さえなければ、今頃技術はもっと発達していたのだろうけど……。
そう言われるくらいには、あの子──璃奈ちゃんは、愛すらも凌ぐ本当に優秀な科学者だった。
愛「そういやさ」
果林「何?」
愛「せっつーあのまんまでいいの? しずくみたいに、マインドコントロールとかしてないんでしょ?」
確かに、せつ菜にはウルトラビーストを与えただけで、実は彼女自身には特別な細工をしていない。
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