女「死んじゃってゴメン」少女「ほんとにゴメンて思ってます?」
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16: ◆/brfqxLTx.[sage saga]
2022/12/09(金) 22:03:50.99 ID:AaD9S2yd0
女「死んでキミが悲しんでくれるのなら、もうちょっと生きていても良かったかなあ、なんて思わなくもないね」

少女「私は散々言ったつもりだったんですけどね。結局、お姉さんは聞く耳を持っちゃくれませんでした」

女「わたしのこと好き好きーって?」

少女「まあ、それも言いましたけど……もっと直接的に、『生きてください』って」

女「うーん」

少女「覚えてませんか?」

女「覚えてるよ。ご飯食べてくださいとか、ちゃんと寝てくださいとか。あとは……少しお外出てみませんかとか。でもあのときは、全く響かなかった。たぶん、何よりも生きるのが辛かったから」

少女「そう、ですか……」

女「なにをするにも、やる気が起きなかったんだよ。なにをやっていても劣等感がついてまわるんだ。わたしはなにもできないから、どこにいても迷惑がかかる。そして、それを取り返すにはもう遅すぎた」

少女「それは、今でもそう思ってますか?」

女「ううん。死んでみてわかったけど、ささいなことだったね、全部」

少女「そうですよ。死ぬのに比べたら、全部ささいなことです」

女「あーあ。結局、どうすればよかったんだろうな……」

少女「私の立場で言えることは……お姉さんがやるべきだったことは、たった一つ単純なことです」

女「なに?」

少女「生きるべきでした。あなたが死んで悲しむ人が一人でもいるうちは、死ぬべきじゃなかった。それだけです」

女「もちろん、そうだね。でも――」

少女「はい。きっとそれは単純だけど、簡単なことではないです。だって、やる気が無かったんでしょう?」

女「うん」

少女「なら、しょうがないです。自己肯定感の低さというのは、死に至る病です。独力でどうにかなるものでもないですよ。だから結局、一番近くにいた私がなんとかするべきだった、とも言えます。それが、私の罪」

女「それに『うん』と言えるほど、ずうずうしくはなれないよ」

少女「まあ、そうでしょうね。なんにせよ、もう取り返しがつかないです」



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