女「死んじゃってゴメン」少女「ほんとにゴメンて思ってます?」
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15: ◆/brfqxLTx.[sage saga]
2022/12/09(金) 22:03:13.22 ID:AaD9S2yd0
女「わたしのことはさ、もう忘れてよ」

少女「言ってることが、さっきと違うじゃないですか」

女「ゴメン……。わたしなんかさ、本当にろくなやつじゃないんだよ。ゲームだって、熱帯行けばもっと上手い人いるよ。街に出れば、わたしよりおしゃれな人は大勢いる」

少女「おいしいお菓子とか、食べさせてくれたじゃないですか」

女「都会に行けば、もっと良いお菓子はあるよ」

少女「あなたは、あなたが思ってるよりもずっと賢くて、やさしかった」

女「……そんなことは、ない。ないんだよ。わたしは何も持ってない」

少女「……」

女「お金もなければ学歴もない。あたまもわりい。ゲームもうまくないし、ファッションセンスもなくて、対人能力も皆無だし、おまけに生活能力すらない。なんにもないんだ。本当は、キミに教えられることなんてなんにもなかった。年長者の立場でマウントとって、ちょっと気持ちよくなりたかっただけなんだよ」

少女「それでも、私はうれしかったんです。それは、あなたのやさしさだと思いましたよ」

女「わたしは、やさしさだって持ってない。キミの気のせいなんだ。ぜんぶぜんぶ、自分のためにやったこと。わたしよりやさしい人なんて、いっぱいいるんだよ」

少女「そういうのはどうでもいいんです! 誰かと比べて何が足りないとか、何を持ってないとか。そんなの全部、地上の価値観じゃないですか。資本主義とか競争社会とか、そういうものをうまく回すためのローカルルールに過ぎません。地獄出身の私には、なんにも関係ないです」

女「……まあ、たしかに」

少女「私は、あなたを好きになったんです。他の誰かなんて関係なくて、お姉さんだけを好きになったんですよ」

女「そっか……、そうだよね。ありがとう」

少女「はい」

女「ありがとう。わたしを好きでいてくれて。わたしも、キミのことが好きだったよ」

少女「はい。知ってますよ」



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