女「死んじゃってゴメン」少女「ほんとにゴメンて思ってます?」
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11: ◆/brfqxLTx.[sage saga]
2022/12/09(金) 21:59:46.54 ID:AaD9S2yd0
少女「だから今のこの問答は、『最後に言い残すことはあるか?』というやつですね」

女「そっかー……。わたしのことはあんまり忘れないでいてほしい……。一週間くらいは」

少女「一週間といわず、お姉さんみたいな人なら私は忘れませんよ。安心してください」

女「ありがと」

少女「他に、なにか言い残すことはありますか?」

女「ちょっと待ってね、今考えてるから……」

少女「いくらでも待ちますよ」

女「えーと……」

少女「……」

女「あ、そうだ。わたし、これからどうなるの? ずっとここで過ごすって話だけど、いまいちピンとこないんだよね」

少女「なるほど、受刑者の末路が気になる、と」

女「だいたいそんなところ」

少女「どうなるのと訊かれても、どうにもならないとしか言いようが無いんですよね。本当に、なにもないので」

女「うーん、わからん。退屈で死にそう、というのが永遠に続くと辛いのはわかるんだけどね」

少女「まあ、その認識で間違ってはいませんよ。ただ、文字通り『永遠』かと言うと、そうでもないらしいというのが定説です」

女「というと?」

少女「なにもない部屋に長時間いると、時間の感覚が麻痺するんですよ。時間なんていう概念は、所詮は相対的なものなので。何もない場所だと曖昧になります」

女「ちょっとわかるかも。生前でもそんな感じだったしね、暗い部屋で天井見てたら十時間経ってたり」

少女「いえいえ、そんなレベルじゃないですよ。だってお姉さんの生活がいくら破綻していても、朝になれば日は昇ってたじゃないですか」

女「まあ、確かに」

少女「結局、物理的に何かが変化することで初めて"時間"というものが存在する……とも言えます。それは天体の運動だったり、時計の針だったり、心臓の鼓動だったりするわけですね。この部屋にはそういうものがなにもないので、お姉さんの主観時間だけが唯一の時計になります」

女「なるほどねえ。そういう世界観で考えたことなかったなあ。まず時間があって、その後に物があると思ってた」

少女「生きてる限りは、それで間違いないですよ」



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