【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 Part.5
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173: ◆vqFdMa6h2.[saga]
2022/12/03(土) 22:49:19.03 ID:ZSVkFOz00

「そん、な……」
「……クソ」


斑鳩ルカという少女は瞼を下ろしたまま、身一つ動かそうとはしなかった。
つい先ほどまでと何が変わったのだろうか、きっとこれから彼女はどんどん朽ちていく。
心臓というポンプが止まった今、皮膚の下を走る血管は鎮まりかえり、筋肉という筋肉は解きほぐされることもなくなり、ただの肉塊に変わる。
それが死というもの、それが骸というものなのだ。


「……元々、彼女たちは死んでいるようなものなんです。生き返るかどうかは賭けのようなもの。ここまで耐え抜いてくれたこと、必死に生きようとしてくれたこと。それに感謝するほかない……悔しいですが」


男は自分の拳を震わせながら、振り絞るようにして呟いた。
零れ落ちそうな涙を噛み潰してまで自己弁護の言葉を吐いたのは、隣の立つ少女のため。
少女は時間が止まってしまったかのように目の前で起きた悲劇に金魚のように口をぱくつかせるほかなく、それが痛ましくてたまらなかったのだ。


「……斑鳩さん、最後までわからないままでしたね。彼女が社長の意思にどこまで賛同していたのか、このコロシアイを仕組んだのは本当に彼女だったのか」
「……ええ、もっと多くのことを彼女から聞き出しておきたかったです」


いくら死を嘆いても意味がない。
後悔とは元来無意味なものなのだ。悔いたところで、完全に同じ状況など出会うはずもない。
まして、この惨劇の首謀者など世界に二人といないのだから。


「……ひとまず、救護班と、彼女たちに連絡をしましょう。助からなかったことを、別れの時が来てしまったことを」


緊急事態に此方に向かっている部隊がある。
事の終わった骸に施すには慈愛に満ちすぎた装備を置いてきてもらうように促すよう指示を出した。



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