4: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:29:46.16 ID:ut4Hw6Jr0
「ディレクター君?」
彼女は、なぜか俺を名前で呼ばない。
5: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:30:16.97 ID:ut4Hw6Jr0
「それで、例の計画の話だけど……」
川島瑞樹は手元の資料を目に通す。ニュース番組の原稿を読み込むような真剣な眼差し。
6: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:31:14.14 ID:ut4Hw6Jr0
2ヶ月前の打ち上げ飲み会で、たまたま同じタイミングで夜風に涼んでいた際、お互いのこれからについて語り合う機会があった。
俺は、やがてプロデューサーとしてアイドルのプロデュースをしていくつもりであること、それが高校の時に出会った、ある地下アイドルから見せてもらった夢だ、と語った。
7: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:32:00.64 ID:ut4Hw6Jr0
「支店長と本社の同期から本社の部長と先輩プロデューサーとの繋がりを作りました。元々俺はプロデューサー志望だったので、感触は悪くないと思います。部長もこのプロジェクトの開始と同時に本社への異動とプロデューサーへの昇格を人事に掛け合うと約束してくれました」
企画書のコピーと先の番組での発言を修めた動画データ、そして最後は彼女からの一筆。
8: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:32:35.90 ID:ut4Hw6Jr0
「さすがに今日はやめてくださいよ?俺が誑かしたように思われてしまいます」
「まぁっ、誑かしたなんて人聞きの悪いわ」
9: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:33:10.53 ID:ut4Hw6Jr0
(そう言えば、聞きそびれていたことがあったわ)
東京への移動中、まどろみながら昨日の話の続きを思い出していた。
10: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:33:44.44 ID:ut4Hw6Jr0
(あら、私と同じじゃないの。聞いてよかったわぁ。私と気が合いそうね)
川島瑞樹の表情から、興味の方向性が若干変わったのを見て取れた。
11: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:34:22.48 ID:ut4Hw6Jr0
その後は彼女と共に企画書の推敲を行い打ち合わせは終了となった。
事務所に戻り、推敲した企画書、動画ファイルと川島瑞樹の一筆のコピーと共にクラウドストレージ上の共有フォルダにアップロードして、本社の先輩プロデューサーに連絡をした。
12: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:35:01.95 ID:ut4Hw6Jr0
「流石に経験豊富なアナウンサーだけはある。しっかり打ち合わせしてきたんだな」
企画書に随所に盛り込まれた川島瑞樹の意見を評価し、先輩プロデューサーである神山は感想を述べた。
13: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:35:39.97 ID:ut4Hw6Jr0
「これからの予定は?」
「念の為、明日いっぱいの予定を調整済みです」
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