15: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:37:01.98 ID:ut4Hw6Jr0
「仕事が早いな……」
プレゼンは明日の13時から、参加者は常務、部長以下主だったもの全て。
16: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:37:41.29 ID:ut4Hw6Jr0
結果から言えば、拍子抜けするほどプレゼンは上手く言った。
川島瑞樹の名前と、先日の放送から既に話題性があったこと、その背後で俺が既に動いていたことも評価された。
17: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:38:17.56 ID:ut4Hw6Jr0
神山が取り出したのは1枚の履歴書と数枚の宣材写真。
どれもこれもまるでグラビアアイドルのような扇情的なポーズで撮られている。
18: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:38:47.95 ID:ut4Hw6Jr0
「ちょっと待て。女子高生は分かるが同人作家?」
「磨けば光るものを感じてスカウトしてきた。今の所レッスンは真面目にこなしているぞ」
19: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:39:19.82 ID:ut4Hw6Jr0
「最後はこの子だね。担当プロデューサーが外出しているので私から紹介させてもらうよ」
部長の差し出した最後の履歴書には、大人しく利口そうな少女が写っている。
20: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:40:01.78 ID:ut4Hw6Jr0
(年が近いアイドル仲間がいると心強いし)
一昨日の川島瑞樹とのやり取りを思い出す。
21: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:40:52.32 ID:ut4Hw6Jr0
翌日、出社して支店長に報告を行った。
「分かってはいたが、思ったより急だったな」
22: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:41:24.66 ID:ut4Hw6Jr0
「我社のアイドルプロデューサーの間では、最初にプロデュースしたアイドルを『ファースト・シンデレラ』と呼ぶのを知っているかね?」
「同期の林田がそんな事を言っていましたね。まぁ彼のファースト・シンデレラはガラスの靴ではなくて、ガラスの眼鏡を掛けていたようですけど」
23: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:41:57.83 ID:ut4Hw6Jr0
ただ、人生を変えるほどの出会いという意味では、申し訳ないが彼女は『ファースト・シンデレラ』ではない。
俺の『ファースト・シンデレラ』は、もうどこにいるのかもわからない、探し出すためのガラスの靴も持っていない。
24: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:42:30.20 ID:ut4Hw6Jr0
午後になり、川島瑞樹が事務所に来訪してきた。
「はぁい。プロデューサー君、お待たせ」
25: ◆xMUmPABXRw[sage saga]
2022/11/26(土) 00:43:00.56 ID:ut4Hw6Jr0
「それで、どうだったの?」
お土産の菓子を渡し、椅子に座った後、彼女は尋ねてくる。
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