141: ◆xMUmPABXRw[sage]
2022/12/07(水) 23:27:17.71 ID:sQ22x4PF0
「……小さい頃の菜々さんは、海を眺めて何を思ってたんですか?」
「えへへ……」
菜々さんは笑う。いつもの笑顔とは少し違う、懐かしそうな笑顔で。
多分、聞いてほしいことがあったのだろう。
「ナナは、子供の頃からウサミン星のプリンセスになるんだって言ってたんですけど……」
朝日を浴びて光を散らしていく海を眺める菜々さんは、とても綺麗だと思う。
「クラスの子達からはよくバカにされてたんです。ウサミン星なんてないって」
海岸線から市街地へと向かう道へと曲がると、菜々さんは名残惜しそうに振り返っていた。
「それで、あの海に向かって『ウサミン星はあるもん!』って叫んでたんですか?」
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