【ミリマス】げき子「鈍色の光を見つけて」
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13: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2022/11/25(金) 00:11:51.57 ID:YjhaJr8i0

お昼の時間を少し過ぎた頃、劇場のみんなはエントランスに集まっていた。
今日劇場にいた子たちは全員いるみたい。だいたい二十人くらい、かな。
これだけの人数が集まると、広いエントランスも少し手狭に感じた。

私たちの視線の先にいたのは、エレナちゃん、恵美ちゃん、琴葉ちゃんの三人、それと劇場のプロデューサーだった。

「見送りに来てくれてありがとネ♪」

「にゃはは、こうしてみんなに囲まれてるとちょっと照れくさいな〜」

「うん。私たち頑張らないとだね」

三人とも小さなキャリーケースを引いていて、変装用の帽子を目深に被っていた。

琴葉ちゃんたち三人は、以前から「トライスタービジョン」というユニットとして劇場で活動してきた。
もともとは定期公演での歌唱メンバーから始まったユニットだったけれど、ある有名音楽番組への出演を切っ掛けに劇場の外のお仕事が増えていって、今では世間的にも注目のアイドルといった感じだ。
劇場のアイドルたちの中でも、メディアでの露出や知名度の大きさは、頭ひとつ抜けている。

実際、39プロジェクトのメンバーとしては初めて単独全国ツアー公演を行うことがずっと以前から決まっていた。
そして、そのツアーの幕開けとなる初日公演が、明日行われる。

私は、そんな三人の姿を、他のアイドルたちの陰に隠れるようにして見ていた。

本当は、みんなのように何か琴葉ちゃんたちに声をかけてあげたかった。
些細なことでも、なんでも。それなのに、今の私にはそれが上手くできそうになかった。


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