侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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830: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/09(金) 12:35:51.35 ID:9oar5n900

──ああ、私……なんで説得出来るなんて思い上がってしまったんだろう。

取り付く島なんて、どこにもなかった。

私がトレーナーになれる可能性なんて──最初からなかったんだ……。



──
────
──────



菜々「…………」


なんだか、辛いことを思い出してしまった。

ヨハネ博士に断りの連絡を入れたその日の深夜に、私は親が寝静まったあと……ヨハネ博士に一度だけ電話をした。

励ましてくれて、『ヨハネが説得してあげるわ……!!』──そう言ってくれた博士の言葉に勇気を貰って、もう一度だけお父さんに話をしたけど……それが逆鱗に触れてしまったのか、ポケギアを没収され、連絡する手段すらも失ってしまった。

あの後……ヨハネ博士に会った──というか、見かけたのは1回だけ……ポケモンリーグ本選の会場で見かけたとき。

そのときは、思わず声を掛けそうになってしまったけど……。

今更、どの面を下げて話せばいいのかもわからず……結局、話しかけることは出来なかった。

何より……そのときの私は菜々ではなく──せつ菜でしたし。


菜々「……そう考えると……今が信じられないな……」


あのときはもう本当に、一生ポケモントレーナーになれないんだと思っていたから。

あの人が──私に“せつ菜”をくれたから。

──prrrrrr!!!!


菜々「あ、電話……」


仕事を始めてから、再び持たせてもらうようになったポケギアには──今思い浮かべていた人の名前が書かれていた。


菜々「はい、菜々です」

真姫『菜々、明日のことだけど……』

菜々「大丈夫ですよ、もうローズに戻っていますから」

真姫『急だったのに対応してくれてありがとう』

菜々「いえ、これも仕事ですから、気にしないでください。……ですが、本当に急でしたね」

真姫『なんでも先方がちょっと特殊な業種の人らしくて……』

菜々「特殊な業種……ですか?」

真姫『ええ。モデルらしいわ』

菜々「モデルさん……?」

真姫『今度のビジネス発表会に出てくれることが急に決まったらしくて……諸々の擦り合わせをしなくちゃいけなくてね……』

菜々「なるほど……」


確かにそうなると、両者で確認をしながら、直接スケジュールを押さえる必要が出てくることもあるだろう。



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