侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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828: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/09(金) 12:33:25.80 ID:9oar5n900

今までポケモンをほぼ見たことすらなかった私にとって、その経験は今までの人生全ての価値観をひっくり返してしまうほどに、衝撃的だったのは言うまでもない。

この頃には、両親がポケモン嫌いなことに気付いていたものの……私は湧き上がる好奇心とトレーナーへの強い憧れを抑えることが出来なかった。

両親に隠れて、図書館でポケモンバトルを題材にした作品を読み漁り、スクールの帰りにこっそり街の隅にあるバトル施設を見に行ったりもした。

そこには、私の知らない世界が広がっていた。

トレーナーがポケモンと力を合わせて、ぶつかり合い、競い合い──切磋琢磨し合う……そんな世界。

私は一瞬で、ポケモンとポケモントレーナーという存在の虜になった。

そして、そんな私がその次に考えることは、もちろん──


菜々「──私も……ポケモントレーナーになりたい……!!」


止め処なく溢れる熱い感情に突き動かされ、私はどうすれば自分がポケモントレーナーになれるかを必死に考えた。

調べて調べて調べて……そして、たどり着いたのが、


菜々「ツシマ研究所……新人用ポケモンと……ポケモン図鑑……」


ヨハネ博士だった。

ヨハネ博士は連絡を取ると、私のことを歓迎してくれて、私を旅立ちのトレーナーとして、選んでくれた。

嬉しかった。

ただ、懸念はあった。

もちろん、両親のことだ。

果たしてあの両親が……特に父親が私の旅立ちを認めてくれるのだろうか。

勢いで旅立ちを決めてしまったけど……許してもらえるんだろうか。

怖かったけど……。


菜々「……説得するんだ」


そのときの私は、きっとこの気持ちを真っすぐ伝えればわかってくれるなんて、そんな甘いことを考えていた。


──
────



菜々「お母さん、お父さんいつ帰ってくる……?」

菜々母「お父さん? そうね……今日も遅くなるんじゃないかしら」

菜々「そっか……」

菜々母「何か話があるなら、私が伝えておくけど……」

菜々「うぅん、お父さんがいるときに、直接伝える」

菜々母「そう?」


多忙な父とはなかなかタイミングが合わず……気付けば、旅立ちの日が迫っていた。

そんな中──父が休みの日に、やっと話が出来るタイミングがあって……。


菜々「よし……今日、お父さんに話すんだ……!」


ギリギリになっちゃったから……叱られるかな。こんな急だと、さすがに来週に旅に出る……なんてことを許してもらうのは急すぎて無茶かもしれない。

でも、今はとにかく気持ちをちゃんと伝えなくちゃ……!

自室でそう意気込んでいると──コンコンとドアがノックされた。


菜々父「菜々」



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