760: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/05(月) 21:01:41.49 ID:6bHKz0F20
■Intermission😈
──ツシマ研究所にて。
子供たちを家に帰して、ひととおり仕事を片付けたところだ。
善子「……さて……気は進まないけど、連絡しようかしらね……」
私はパソコンの前に座って、ビデオ通話を掛ける。
アプリの呼び出し音が鳴る中、先方が応じるのを待つ。
10秒……20秒……30秒……。
善子「出ない……」
あのルーズな古巣の師を思い出して、溜め息が出る。
連絡してくるときは突然なのに、こっちから連絡してもなかなか捕まらないのだ。昔から。
1〜2分待って、諦めようかと思ったとき、
鞠莉「チャオ〜、善子〜」
やっと、マリーは通話に応じてくれた。
善子「それでマリー、用件は?」
鞠莉「そっちから掛けてきたのに、すごい切り出し方するわね……。そんな言い方するってことは、リナに会ったのね」
善子「ええ。とりあえず、あのリナってポケモン図鑑がなんなのか、教えて欲しいんだけど」
鞠莉「リナは自分のこと、ロトム図鑑って言ってなかった?」
善子「……ロトム図鑑じゃないことくらいわかるわよ」
鞠莉「あら……さすがね」
善子「誰の研究所で助手やってたと思ってるのよ……」
ロトム図鑑とはそれなりに付き合いが長い。一目見れば、違うことはすぐにわかった。
問題は──じゃあ果たして何なのかということ。
鞠莉「AIよ」
善子「マリーが作った……わけないわよね」
鞠莉「あら、失礼ね……マリーには出来ないってこと? わたしはこれでも、そっち方面も出来るのよ?」
善子「それは知ってる。だけど、あのポケモン図鑑──リナはあまりに感情が豊かすぎる」
あんなに感情豊かなAIは、見たことがない。
というか、今の技術で作れるのかも怪しい。
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