743: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/12/05(月) 14:30:00.87 ID:6bHKz0F20
■Chapter038 『凱旋セキレイシティ』 【SIDE Shizuku】
かすみ「──さぁ! セキレイシティに向かって、出発するよ〜!」
「ガゥ!!」
かすみさんが自転車にまたがりながら、元気よく拳を突き上げる。
かすみ「さぁさ! 早く行かないと、日が暮れちゃうから!」
しずく「どこかの誰かさんが、チェックアウトギリギリまで起きなかったからね……」
かすみ「ぅ……! だ、だって、疲れてたんだもん……! しず子だって、いつもよりは起きるの遅かったって言ってたじゃん!」
まあ、確かに……昨日は全く想定外のウルトラビーストとの戦闘があったため、疲れていたというのはある。……精神的にも、肉体的にも。
ただ、私が起きるのが遅かったというのは、普段6時に目を覚ますのが6時半になった程度のものだ。
一方かすみさんは、起こそうとしても全く起きる気配がなく、本当にホテルのチェックアウトギリギリに焦って起こしたくらいだし……。
かすみさんより遥か前に起きた穂乃果さんや千歌さんたちは、「また何かあったら連絡してね」と残し去って行った。
彼方さんは「まさか彼方ちゃんよりお寝坊さんな子がいるとはね〜」なんて笑っていたし……。
まあ、かすみさんに寝坊癖があるのは、今に始まったことじゃないけど……。
かすみ「と、とにかく……! セキレイシティに行くの!」
しずく「はいはい、わかりました」
かすみ「出発進行〜!」
「ガゥ♪」
💧 💧 💧
かすみ「風が気持ちいい〜♪」
「ガゥガゥ♪」
しずく「ふふ、そうだね」
かすみさんの寝坊に苦言を呈しはしたけど、ダリア〜セキレイ間は、風斬りの道を自転車で駆け抜けるだけだ。
途中に草むらがあるわけでもなく、隅から隅まで人の手が入った橋を越えていくだけ。
時折、周囲を飛んでいる鳥ポケモンが下りてくることがあるらしいけど……基本的には風を斬りながら走るサイクリングを楽しむ道だ。
その証拠に橋の上では私たち以外にも、サイクリングを楽しんでいる人がちらほら見える。
……まさか、ここでもウルトラビーストに襲われるなんてことはないと信じたい。
かすみ「このペースなら、すぐ着いちゃうね〜♪」
しずく「うん。お昼過ぎくらいにはセキレイに着けそうかな?」
かすみ「なら、時間に余裕もあるね!」
しずく「かすみさん、セキレイに到着したらどうするつもりなの? 一旦、家に帰る?」
かすみ「もちろん、一度お家には帰るつもりだけど……それよりも、大事なところがあるじゃん!」
しずく「大事なところ……? あ、ポケモンスクールへの挨拶?」
かすみ「……もう! ポケモンジムに決まってんじゃん!!」
言われて思い出す。
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