650: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/30(水) 12:54:24.45 ID:4td2vpP20
「ヤブゥッ!!!」「ヤブクゥッ!!!!」
ヤブクロンたちがまた背後から追い付いてきた。
そして、それに反応するように、
「ヤブゥ……」
目の前のヤブクロンは怯え始める。
かすみ「なんかわかんないけど、この子いじめられてるみたい……」
なんだか、放っておけずに立ち止まってしまう。
しずく「かすみさん!! 来てるよ!!」
でも、ここで立ち止まっているわけにはいかない、でも置いてくわけには……。
かすみ「……そうだ、ヤブクロンたち……このゴミの臭いが好きなんだよね。しず子!! 逆にめっちゃ良い匂いにしたら、ヤブクロンたち嫌がるんじゃない!?」
しずく「……! なるほど! やってみる!! ロゼリア!!」
「ロゼッ!!!」
しずく「“アロマセラピー”!!」
「ロゼェーー!!!!!」
しず子の指示と共にロゼリアを中心に、お花の良い香りが一気に周囲を包み込む。
「ヤ、ヤブ…」「ブクロンッ…」「ヤブゥ…!!!!」
すると、ヤブクロンたちはその匂いから逃げるように、一目散に撤退を始めたのだった。
しずく「……せ、成功した……」
かすみ「……はぁ……最初からこうすればよかったね……」
二人でその場にへたり込む。ただ、すぐにまだ目の前に自分が助けたヤブクロンがいたことを思い出す。
かすみ「あわわ、そうだった、ヤブクロンには苦しいよね……!?」
慌てて、目の前のヤブクロンに目を向けると、
「ヤブクゥ♪」
ヤブクロンはご機嫌な鳴き声をあげていた。
かすみ「あ、あれ……? 平気なの……?」
「ヤブゥ♪」
ヤブクロンはむしろ元気になっているような……。
ついでに言うなら……さっきまで襲い掛かってきていた灰色のヤブクロンたちと違って、紺色をしていた。
そんなヤブクロンは急に、
「ヤブゥ♪」
かすみんの顔に飛びついてきた。
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