645: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/30(水) 12:48:49.43 ID:4td2vpP20
かすみ「なんでそんな危ないものの口、開けっ放しにしておくの!?」
しずく「鉄製だったから、コイルたちがいたずらで開けちゃったのかもしれないね……危ないことには代わりないけど。でも、元はといえばロクに確認もせず腰掛けたかすみさんが悪い」
かすみ「う……」
しずく「早速罰、当たったね」
かすみ「……」
しずく「……あ、どっちかいうと地獄に落ちたの方がそれっぽいか……。ゴミ捨て場なんて、ある種の地獄みたいなものだし……」
かすみ「半端にうまいこと言わないでよ……」
思わず項垂れてしまう。
可愛いポケモンを探しに来たはずなのに、よりにも寄ってゴミ捨て場に落ちてきちゃうなんて……。
かすみ「とにかく早く上に戻ろう……」
しずく「そうしたいのは山々なんだけど……」
かすみ「?」
しずく「あそこまで飛ぶのはちょっと難しいかも……」
そう言いながらしず子が見上げる先を目で追うと──結構高い場所に穴が見えた。
どうやら、あそこから落ちてきたらしい。
かすみ「え、じゃあどうするの?」
しずく「ここ自体がゴミ処理場なわけじゃないから……ゴミを運搬するための出入り口がどこかにあるはずだよ。そこを探そう」
そう言いながら、しず子はかすみんの手を取って、ゴミ袋の山を一歩ずつ下り始める。
しずく「足元……不安定だから、また転がり落ちないようにね」
かすみ「……ねぇ、しず子」
しずく「何?」
かすみ「もしかして……こんな場所だってわかってて、助けに来てくれたの……?」
しずく「そりゃそうでしょ……目の前で落っこちたら、助けに行かないわけにいかないし……」
かすみ「ふ、ふーん……そうなんだ……」
しずく「なんで嬉しそうなの」
かすみ「いやその……しず子だったら、呆れて自分でどうにかしなさいとか言うのかなって思ったから……」
しずく「呆れてはいるけど……言わないよ。私だって……何度もかすみさんに助けられてるんだから。お互い様」
かすみ「しず子……」
しずく「とにかく、早く外に出ちゃおう。腐敗したガスとかが充満してるだろうし……長くいると身体に悪いと思うから」
かすみ「う、うん! そうだね!」
かすみんたちは少しでも早く脱出するために、転ばない程度に早足でゴミ袋の山を駆け下ります。
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