550: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/25(金) 14:31:58.32 ID:vdkzhBrC0
■Chapter028 『葛藤』 【SIDE Shizuku】
──『しず子っ!!!』
かすみさんの声。
──『あんなのより、かすみんの方がずっと、ずーーーーっと!!! 可愛くて、美しくて、綺麗で、魅力的でしょ!!!?』
かすみさんが、私に向かって、叫んでいる。
──『毒だか、フェロモンだか知らないけどッ!!! あんな変なやつに負けないでッ!!!! かすみんがいるからッ!!!!』
かすみさんの声が、私の中で木霊していた。
──
────
──────
しずく「──…………ん……」
──瞼の裏に光を感じて、ぼんやりと目を開けると、見慣れない天井があった。
しずく「ここ……どこ……?」
自分がどうしてこんな場所にいるのか、寝起きの頭を働かせて思い出そうとするけど──記憶に靄がかかったかのように、直近のことがほとんど思い出せなかった。
ホシゾラシティで侑さんたちと別れて……コメコの森に入ったところまでは覚えている。
しずく「…………」
ゆっくりと身を起こすと、酷い眩暈に襲われた。
頭が……重い……。
重い頭を押さえながら、傍らに目を向けると──
「…ロゼ…zzz」
ロゼリアが眠っていた。
しずく「……ロゼリア……? ……もしかして、スボミー……?」
──そういえば……スボミーが進化していたような……。記憶の中の靄の向こうに手を伸ばそうとした瞬間、
しずく「……いた……っ……!」
頭がズキンと痛んだ。
私は一体どうしてしまったのか……。
頭を押さえながら、改めて、周囲を確認していると──
かすみ「…………すぅ…………すぅ…………zzz」
私の寝ているベッドにもたれかかるようにして、かすみさんが寝息を立てていた。
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