侑「ポケットモンスター虹ヶ咲!」
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416: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/17(木) 15:33:16.98 ID:pCSsxJZL0

■Chapter020 『ロトム 前編』 【SIDE Shizuku】





かすみ「風が気持ちいい〜♪」
 「ガゥガゥ♪」

しずく「かすみさん、あんまり身を乗り出して、落ちないでよ?」

かすみ「平気平気〜♪」
 「ガゥ♪」


甲板で風を受けながらご機嫌な様子のかすみさん。

今、私たちはアワシマに向かう連絡船に乗っている真っ最中だ。


かすみ「それにしても、しず子……あの島に何か用事でもあるの?」

しずく「うん……まあ」

 「ロト…」

しずく「逃げないでください」


 そろりそろりと逃げ出そうとするロトムを掴んで引き戻す。


 「しずくちゃん、ホントに行きたくないロト」

しずく「はぁ……いい加減、観念してください」


往生際の悪いロトムの様子に、思わず天を仰いでしまう。

仰いだ空には、とっくに南中高度を通り過ぎた太陽が見える。


しずく「本当は朝から向かうつもりだったんだけどなぁ……」


気付けば、もうすっかりお昼過ぎだ。


しずく「どこかの誰かが寝坊するから……」

かすみ「し、仕方ないじゃん! 疲れてたんだもん……」


まあ、確かに昨日は朝から船でフソウを出て、お昼にホシゾラシティでスボミーの騒動。その後、ウチウラシティでジム戦を行うという、かなり忙しない一日だったし、疲労があったのも致し方ない。

お昼前にやっと起きだしてきたかすみさんと共に、泊めて貰っていたルビィさんの家を後にし、アワシマ行きの船に乗り込んだ。

そして、この船に乗るまでも、度々逃げようとするロトムを捕まえていたせいで、すっかり遅くなってしまった。

……とにもかくにも、これでようやくロトムのことについては片が付きそうだ。


 「……ロト」






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