38: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/10/30(日) 15:58:04.73 ID:QLy5TvuG0
それなりに大きなポケモンだし、飛んでいれば見つけられそうなものだけど……。
侑「もしかして、もう別の場所に行っちゃったのかなぁ……?」
歩夢「その可能性はあるよね……」
辺りを見回すと、ポッポやマメパトといった鳥ポケモンたちがたくさん飛んでいるのが目に入る。
ここ6番道路──通称『風斬りの道』はサイクリングロードとなっている橋の周りを、たくさんの鳥ポケモンが飛んでいることで有名だ。たぶん鳥ポケモンやひこうタイプのポケモンが好む気候なんだと思う。
もしかしたら、ひこうタイプのゴルバットも同じような理由で自然とここに来たのかと思ったけど……。
侑「とりあえず、橋の下だけでも確認してみよっか」
歩夢「うん。橋の上は自転車がないと探せないもんね」
橋の脇にある階段を伝って、河原の方へと降りていく。
侑「そういえば、小さい頃一緒に遊びに来たっけ」
歩夢「ふふ、そうだったね。ここは近くにある一番おっきな川だから、よくお母さんたちに連れて来てもらってたね」
侑「フワンテにだけは気を付けなさいよ〜って言われたっけ」
歩夢「そうそう♪ あ、覚えてる? ここでかくれんぼしたときのこと……侑ちゃん、橋の下に隠れるの好きだったよね?」
侑「あったあった! 柱の裏側って意外と死角になったりするんだよね♪」
歩夢「お昼でも、日が当たらなくて薄暗くなる場所だと特に……侑ちゃん、いっつも黒い服着てるから、見つけるの大変だったよ……」
侑「あはは、私の作戦勝ちだね♪」
昔を懐かしみながら、橋桁の裏を覗く──案外私と同じでここに隠れていたりして……。
侑「……まあ、そんなに都合よく行かないか」
橋桁の裏は、昔歩夢と遊んだときのように、日が当たらず薄暗い。ゴルバットみたいなコウモリポケモンは好きそうだなって思ったんだけど……。
「…シャーボ」
歩夢「ん? サスケ? どうしたの?」
侑「ん?」
普段おとなしいサスケが急に鳴き声をあげた。
歩夢「そういえば……」
侑「ん?」
歩夢「かくれんぼのとき、最終的に侑ちゃんを見つけたの……サスケだったよね」
侑「……そうだったかも。たしか、アーボには熱で獲物を探す能力があるって、歩夢のお母さんが……」
気付けば、橋桁の上の方を見上げるサスケに釣られるように上を見る。
日が完全に遮られて薄暗い中、整備用に取り付けられたであろう小さな足場の先に──何かの影が見えた。
侑「!? 何かいる!?」
見つけたと同時に──その何かは大きく口を開いた。
侑「!! ゴルバ──」
──キィィィィィィィン!!!!!!
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