370: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/15(火) 13:06:48.09 ID:BfviSDpF0
■Chapter018 『侑の弱点?』 【SIDE Yu】
侑「私の……バッジ……」
思わず浜辺で項垂れてしまう。
まさか、こんなことになるなんて……。
私の大切なジムバッジを、パールルに食べさせてしまった当の彼方さんは……いつの間にか、少し離れた場所にレジャーシートを敷いてくつろいでいた。
遥ちゃんとリナちゃんも最初は心配そうにしていたけど、彼方さんに促されて一緒にレジャーシートの上で待っている。
……自分でどうにかしろ、ということかもしれない。
侑「……切り替えよう。これは修行なんだ」
私は浜辺の浅い場所に沈んでいるパールルに目を向ける。
体は全部海の水に浸かってしまっているものの、水位は膝くらいまでしかない。
これなら、みずタイプのポケモンがいなくても、パールルを攻撃することは可能だ。
彼方さんの手持ちだし……レベルは高いかもしれないけど、幸いこっちにはパールルの苦手なでんきタイプのポケモンもいる。
侑「行くよ! ライボルト!」
「ライボッ!!」
ボールからライボルトを繰り出す。とにかく戦闘不能にすれば、きっと貝も開くはずだ……!
侑「“10まんボルト”!!」
「ライボッ!!!!」
──バチバチという放電の音と共に、電撃がパールルに向かって飛んでいく。
電撃は音と光を伴って、パールルの沈んでいる海面直上に落ちるが……パールルは全くノーリアクションだった。
侑「……あ、あれ……? も、もう一回!」
「ライボッ!!!」
再び電撃をパールルの直上に撃ち落とすが──やっぱり、パールルはびくともしなかった。
侑「電撃……届いてるよね……?」
海の水は電気を通すはずだし、確実にパールルにも電撃は通ってるはずなのに……。
侑「威力が足りないのかもしれない……次はイーブイも一緒にやってみよう」
「ブイ」
イーブイが私の頭からピョンと飛び降りる。
侑「ライボルト、“10まんボルト”! イーブイ、“びりびりエレキ”!」
「ライボォ!!!!」「ブーイィ!!!」
今度は2匹の電撃が同時に、パールルに向かって迸る。……が、
侑「……だ、ダメだ……」
やはり、パールルはうんともすんとも言わなかった。
侑「もしかして、あの貝殻で防がれてるのかな……」
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20