368: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/14(月) 18:04:05.55 ID:wroKVd390
マホミルが私の目の前をふよふよと漂うと、確かに甘い良い香りがする。
歩夢「ここのミルク……確かに甘くて美味しいですもんね。よく見かけるんですか?」
エマ「うぅん……少なくとも、このコメコ牧場では滅多に現れないすごく珍しいポケモンだよ」
歩夢「え……」
「マホミ〜」
マホミルは鳴き声をあげながら、私の周囲をふよふよと漂っている。
逃げるような素振りは全くなく、
「マホ〜♪」
むしろ、ご機嫌な様子だった。
エマ「わたしも、実際にマホミルを見たのは初めてなの! やっぱり、歩夢ちゃんすごいよ!」
歩夢「わ、私は何も……」
エマ「でも、現にマホミルは歩夢ちゃんになついてるし」
「マホマホ〜♪」
確かにマホミルは明らかに私を意識して、周囲を漂っている。
エマ「歩夢ちゃん、さっき自分に何を期待されているのかわからないって言ってたよね」
歩夢「は、はい……」
エマ「もしかしたら、博士が歩夢ちゃんに期待してることって……そういうことなんじゃないかな」
歩夢「そういう……こと……」
エマ「ポケモンたちを心から想って……そして、ポケモンたちから想われる力……」
歩夢「…………」
エマ「それはきっと……歩夢ちゃんにしかない、すごい才能なんじゃないかな」
ポケモンを大切に想うなんて、当たり前すぎて意識したこともなかったし……今もあまりピンと来ていない。
だけど……それを才能と言って認めてくれる人がいるなら、
歩夢「──もう少し」
こんな私を認めてくれる人が、いてくれるなら、
歩夢「もう少しだけ……頑張ってみよう……かな……」
エマ「! うん! 絶対そうした方がいいと思う!」
歩夢「……はい」
「マホミ〜♪」
もう一度だけ、立派なポケモントレーナーを目指して頑張ってみよう……私はそんな風に思ったのだった。
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