352: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/13(日) 12:54:40.22 ID:CEy3tu000
歩夢「私のせいで負けちゃったんだよ……っ!! それくらい、私にもわかるよ……っ!!」
侑「だ、だから、それは……!!」
歩夢「なんで怒ってもくれないの……っ!? 初心者だからっ!? 失敗してもしょうがないから……っ!? 怒ったら、私が可哀想だから……っ!?」
侑「ち、違」
歩夢「私が……弱いから……っ……?」
侑「違う!! そうじゃないよ!!」
歩夢「何が違うの……っ!?」
侑「歩夢頑張ってたよ……! 私のためにジム戦お願いしてくれて、突然だったのに一緒に戦ってくれて……! それなのに、なんで私が歩夢を責めたりしなくちゃいけないの……? その方がおかしいじゃん……」
歩夢「ジム戦だって、昨日私が止めなければ普通に出来てたもん……っ!! それに……頑張ったって……侑ちゃんの邪魔になったら……意味、ないよ……っ……」
侑「意味……ないって……」
歩夢「私……侑ちゃんの足……引っ張ってる……」
侑「そんなことないって……! なんで、わかってくれないの……?」
歩夢「だって……っ……侑ちゃん……今……──すっごく、悔しそうな顔……してるもん……」
侑「え……」
言われて思わず、ジムのガラス張りになったドアに顔を向けると──涙でぐしゃぐしゃになった幼馴染の横に、今まで見たこともないような、悔しさを隠しきれていない表情をしている、自分の顔が映っていた。
歩夢「私が……侑ちゃんに、そんな顔……させたんだ……」
侑「あ、いや……その、これは、違くて……」
歩夢「…………っ……」
侑「だ、だから、歩夢は悪くなくって……」
歩夢「…………もう、いいよ……っ……」
歩夢は私の手を振り払う。
侑「あ、歩夢……?」
歩夢「…………こんな私じゃ……侑ちゃんと一緒に、旅……出来ないよ……っ……」
歩夢は私に背を向けて走り出してしまう。
侑「っ!? 待って!! 歩夢……!!」
咄嗟に歩夢を追いかけて、走り出そうとしたそのとき──後ろから肩の辺りを引っ張られた。
侑「っ!?」
振り返ると──
彼方「うーん……今は……そっとしておいてあげた方がいいんじゃないかな……?」
彼方さんが私の肩を掴んで止めているところだった。
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20