326: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/13(日) 02:39:51.44 ID:CEy3tu000
海未師匠の言っているチャンピオン戦というのは、文字通りポケモンリーグのチャンピオンとして、挑戦者と相対する公式戦のことだ。
公式、非公式で何が違うのかと言うと──当たり前だけど、公式戦では、チャンピオンの称号を懸けての戦いになるということ。
別に野良試合のような方式で公式のチャンピオン戦をしてはいけないという決まりはないけど……海未師匠の言うとおり、それなりに意味や価値を持つ戦いなのには間違いないのだ。
だから、普段そこらへんで出会ったトレーナーと戦うように、カジュアルに公式チャンピオン戦を行うことは基本的にはない。
そして、公式非公式を分ける証として、公式チャンピオン戦を行うときは、多くの場合チャンピオンマントを身に着けて戦うことが慣習となっている。
チャンピオンマントは文字通り、この地方のチャンピオンにだけ渡されるマントで、逆に言うなら、これを身に着けて戦うときは公式にチャンピオンの座を掛けて戦うという意志の表れということになる。
海未「ある日気付いたら、チャンピオンが変わっていたなんて言われたら、いろいろと困りますからね……」
千歌「だから、大丈夫ですって! 師匠は心配性すぎるんですよ!」
海未「ですが、千歌ですよ?」
ダイヤ「まあ、千歌さんですからね……心配するのはわかります」
千歌「もぉーーー!! 二人してなんなんですかーーー!!」
この二人、私の師のはずなのに、どうしてこんなに私への信頼が薄いんだろうか……。
千歌「全く……失礼しちゃうな……」
ことり「もう海未ちゃんもダイヤちゃんも、あんまり口煩く言っちゃダメだよ? 千歌ちゃん、頼もしいところもたくさんあるんだから」
千歌「あぁ〜もう! チカのことわかってくれるのは、ことりさんだけです……!」
ことり「うんうん♪ むしろ、海未ちゃんのことしっかり見張っててね? 海未ちゃん放っておくと、ずーーーっと仕事しちゃうから……」
千歌「任せてください!!」
海未「こ、ことり……私の話は別に……」
ことり「良い機会だから言うけど、海未ちゃんは普段から無理しすぎです! 少しは自分を大切にしてくれないと、ことりが怒るからね!」
海未「う……ぜ、善処します」
ツバサ「ふふ、歴代最強の四天王も幼馴染の前では形無しね」
希「せやねぇ♪」
そんなこんなで楽しげな宴の席は続く。
しばらく、みんなで談笑を楽しみながら、時間が過ぎていく中……。
ことり「……お母さん、遅いね」
ことりさんがふと、そう呟いた。
実は、この宴の席、もう一人来る予定のはずの人がいる。
ことりさんのお母さんで、今はポケモンリーグ相談役──つまり前理事長だ。
千歌「まだ仕事してるのかも……私がお酒とご飯を持っていきます」
ことり「あ、ならわたしも……!」
千歌「あはは、ご飯持ってくくらい私一人で大丈夫ですから!」
私はお盆とお皿を持ってきて、そこに適当に選んだご飯とお酒を載せて相談役のもとに行く準備を整える。
ことり「それじゃ……お願いね、千歌ちゃん」
千歌「はーい! ことりさんが心配してるってことも伝えておきますね!」
ことり「うん、ありがとう」
私は踵を返して、部屋を後にした。
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