292: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/11(金) 16:11:45.65 ID:xkYIlSIn0
ポケモンセンターの外から、大きな声が聞こえてきた。
かすみ「? なんですか?」
窓から外を伺ってみると──
「スボーーー!!!!」
「そっちだ!! 捕まえろ!!」
大人が数人、大きな声をあげて、網を振り回しながら、先ほどのスボミーを追い回しているところだった。
かすみ「あ、あれって、今言ってた過激派の人たちじゃないですかぁ!?」
女の子「た、大変……! 凛さんがいないからって、あの人たち……!」
しずく「……確かにあのままでは、危ないですね」
スボミーが、ではない。
あの人たちが、だ。
小さな子とはいえ、相手はポケモンに変わりない。
ポケモンの持っているパワーは人のソレとは比べ物にならないし、少なくとも虫取り網で捕まえられるような相手ではない。
しずく「あの人たち、ポケモントレーナーではないんですか?」
女の子「う、うん……この町にはポケモントレーナーはあんまりいないというか……ポケモントレーナーは旅に出ちゃうから……」
なるほど。だから、凛さんくらいしか事の対応に当たれる人がいなかったのか。
言われてみれば、この町は石材の切り出しや、加工が主な産業だったはず。
セキレイやローズ、ダリアとは違ってポケモンバトル施設などもジム以外にはないし、トレーナーの数が少ないのもおかしな話ではない。
……もしかして、凛さんが苦戦していたのは、無謀な住人たちを抑えるのにも労力を割いていたからなんじゃないかとも思わなくはない。
しずく「とにもかくにも……放っておくわけにも行きませんね」
私は立ち上がって、彼らの説得ないし沈静に向かうことにする。
かすみ「あっ、かすみんも! くしゅんっ!!」
しずく「かすみさんはまだそこで休んでて。私がどうにかしてくるから」
かすみ「でも……しず子一人で大丈夫なの……?」
しずく「私もポケモントレーナーなんだから。任せて」
かすみ「……む、無茶しないでよ……?」
しずく「うん、わかってる」
女の子「気を付けてね……」
しずく「はい。行って参ります!」
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