286: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/11(金) 16:04:47.17 ID:xkYIlSIn0
■Chapter014 『ホシゾラの暴れる蕾』 【SIDE Shizuku】
──フソウタウンでの夜が明けて……。私たちは今、
しずく「んー……潮風が気持ちいいね、メッソン」
「メソ…」
ホシゾラシティに向かう船に乗っているところだ。
フソウからは無事にホシゾラ行きの便に乗れたため、私は快適な船の旅を楽しんでいる。
でも一方で、かすみさんは、
かすみ「…………」
「…………」
甲板の隅にしゃがみ込んで、転がっている真っ白なサニーゴを見つめながら、黙り込んでいた。
しずく「もう……かすみさん、いつまでそうしてるつもり?」
かすみ「じっと念を送り続ければ、普通のサニーゴにならないかなって……」
「なるわけないロトー」
かすみ「夢くらい見させてよ!」
「…………」
しずく「あはは……」
まあ、騙されちゃったわけだし、ダメージを受けるのも仕方ないのかな……。
とはいえ、ずっと落胆しているのは気の毒だし、何よりサニーゴも可哀想だ。
しずく「かすみさん、ショックなのはわかるけど……でも、もうかすみさんはそのサニーゴの“おや”なんだから。いつまでもそんな顔してたら、サニーゴが可哀想だよ?」
かすみ「……わかってるよぅ」
「…………」
しずく「ほら、この子もよく見れば愛嬌がある顔してるような気もするし」
かすみ「……そうかな」
「…………」
かすみさんと二人でサニーゴの顔を覗き込む。
その瞳は、深淵を彷彿とさせるような闇が、奥に広がっている気がした。
ずっと、見ていたら魂を吸い込まれそうな……。
しずく「……っは」
「あんまりジーっと覗き込んでると呪われそうロト」
危うく意識が遠のきかけた。やはり、ゴーストタイプは伊達じゃないということだろうか。
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