255: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/10(木) 11:24:31.83 ID:IGCv6YWI0
■Chapter013 『農業の町コメコシティ』 【SIDE Yu】
侑「……ん……ぅ……」
瞼の裏に朝日を感じて、意識がゆっくりと浮上していく。
ぼんやりと目を開けると──
「ブイ…」「ワシャ」
イーブイとワシボンが私の顔を覗き込んでいた。
侑「おはよう、イーブイ、ワシボン」
「ブイ…」「ワッシャ」
2匹は私に体を摺り寄せて甘えてくる。
イーブイもワシボンも「こんなに甘えんぼだったっけ?」と一瞬疑問に思ったけど……自分の最後の記憶を辿ってみたら、なんとなく理由がわかってきた。
侑「……私あの後、気失っちゃったんだ……」
そう独り言ちて、ゆっくりと上半身を起こすと──
歩夢「侑ちゃん、おはよう」
傍らに座っていた、歩夢がにこっと笑う。
侑「おはよう、歩夢……心配掛けちゃったみたいだね」
歩夢「うん……心配したよ」
侑「ごめん……」
歩夢「うぅん、侑ちゃんが無事ならいいよ。……身体の調子はどう?」
歩夢の言葉を受けて、軽く肩を回したり、上半身を捻ってみる。
侑「……特に問題なさそう」
歩夢「痛いところとか、動かしにくいところとかない?」
侑「うん、平気」
ベッドから這い出て、そのままぴょんぴょんと軽く跳ねてみる。
歩夢「ゆ、侑ちゃん!? いきなり、そんなに激しく動いたら……!」
侑「……本当に何も問題なさそう。むしろ、ぐっすり眠ったお陰かな、むしろ快調かも!」
実際に電撃が掠った足も、全く問題ないし。
歩夢「ならいいんだけど……」
歩夢が安堵していると──
「…ライボ」
侑「!?」
部屋の隅の方から、鳴き声が聞こえて、思わず身が竦んだ。
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