232: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/09(水) 11:24:01.41 ID:hVp6cgNM0
愛ちゃんが説明を始めようとした瞬間──カッ! と周囲が一瞬明るくなり、直後──ピシャァーーンッと激しい雷鳴が辺りに響き渡った。
歩夢「きゃぁっ!?」
私は大きな音に驚いて、咄嗟に侑ちゃんの腕にすがりついてしまう。
侑「お、おとと……大丈夫?」
歩夢「ご、ごめん……ちょっと、びっくりして」
侑「歩夢、昔から雷が苦手だったもんね」
歩夢「音が大きいから、近くで鳴るとびっくりしちゃうんだよね……」
侑「あはは、わかるよ。……えっと、それで愛ちゃん、話が途切れちゃったけど……」
侑ちゃんが話を続けるために視線を戻すと──先ほどまでそこに居たはずの愛ちゃんの姿が見えなかった。
侑「あ、あれ!? 愛ちゃんは……!?」
リナ『侑さん、歩夢さん、下』 ||  ̄ ᇫ  ̄ ||
歩夢「下……?」
リナちゃんに言われて、私たちが下の方に目を向けると──
愛「…………ち、ちょっと、不意打ちはダメだって……」
愛ちゃんは建物のすぐ傍にお腹を押さえる様にしたまま、軽く涙目になって蹲っていた。
侑「……もしかして、愛ちゃんがここで立ち往生してた理由って……雷……?」
「ブイ?」
🎀 🎀 🎀
愛「──愛さん大抵のモノは平気なんだけど……雷だけはダメなんだよね……」
愛ちゃんは相変わらずお腹を押さえたまま、軒下で肩を竦める。
リナ『愛さん、さっきからお腹押さえてる』 || ? ᇫ ? ||
愛「だっておへそを隠しておかないと、雷様におへそ盗られちゃうんだよ!?」
リナ『そうなの?』 || ? ᇫ ? ||
おへそが盗られるかはともかく、愛ちゃんは雷が苦手だから、ここで立ち往生していたらしい。
侑「でも、さっきまで雷雨になるような、雨じゃなかったはずなのに……」
侑ちゃんが空を仰ぎながら言っている間にも、雨雲がゴロゴロと音を立てている。
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