230: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/09(水) 11:20:09.37 ID:hVp6cgNM0
🎀 🎀 🎀
ダリアシティの南に位置するポケモンジムを素通りして、さらにその先にある4番道路へとたどり着く。
雨の中だから、多少見通しは悪いけど……リナちゃんが言っていたとおり、4番道路に入ると一気に視界が開けて草原のような景色が広がっていた。
歩夢「一気に景色が変わった感じがするね」
侑「ダリアシティって人工物が多いから、ギャップがあってそう感じるのかもね……」
リナ『ここは環境保護区域でもあるから、自由な開発が禁止されてるのも関係してると思う』 || ╹ᇫ╹ ||
侑「確かに……ザ・自然って感じかも」
リナ『左側にある大岩と、右側の林の間にある草原が4番道路──通称ドッグランって呼ばれている地帯になってる』 || ╹ ◡ ╹ ||
歩夢「ずっと先だけど……かすかに海も見えるかも」
雨にけぶる平原の先の方に、少し荒れ気味な海が見える。
リナ『途中に川もあるよ。岩石地帯、森林地帯、河川や海まで隣接してる草原だから、多種多様な犬ポケモンが生息出来るんだって言われてるよ』 || ╹ 𝅎 ╹ ||
侑「確かにこんな大自然だったら、手を加えるのを禁止するのも納得かも……」
ただ、そんな自然だらけの4番道路でも、差し掛かってすぐ──1ヶ所だけ木造の建物が立っていた。
侑「でも、なんだろ……あの小屋……? というか、家……?」
歩夢「あそこは育て屋さんだと思うよ」
侑「育て屋さん?」
リナ『そのとおり。ポケモン育て屋さん。この地方で唯一ここにある施設だよ』 || ╹ ◡ ╹ ||
侑「へー」
ポケモン育て屋さんでは、タマゴが見つかることで有名で、この地方ではダリアシティの南──ここ4番道路にしかない施設となっている。
私の家のポケモンの中にはタマゴから生まれた子もいたから、タマゴの育て方について調べていたときに、この施設のことも知っていたというわけだ。
写真で何度も見た育て屋の外観を眺めながら歩いていると、ふと、
歩夢「あれ……?」
侑「? どうかしたの、歩夢?」
歩夢「育て屋さんの前……誰かいない?」
侑「え?」
育て屋さんの軒下に、人影が見えた。
何やら、空を見上げて、その場に留まっている様子。
侑「こんな雨の中、どうしたんだろう……?」
歩夢「何かあったのかな?」
侑「行ってみようか」
歩夢「うん」
私たちが育て屋の軒下まで歩いていくと、やはり彼女は空を仰いだまま立ち尽くしていた。
明るめの金髪のセミロングをポニーテールに縛っている女の人。
歳は……私たちの少し上か、同い年くらいかな……?
1002Res/2130.98 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20