204: ◆tdNJrUZxQg[saga]
2022/11/07(月) 12:47:32.78 ID:HEs2RhQZ0
思わぬ激励を貰って、胸がドキドキする。
最後にさっきの女の子から、さらに強い視線を背中に受けた気がするけど……なんだか、どうでもよくなってしまった。
どうにか人込みから抜け出すと、かすみさんがニヤニヤしていた。
かすみ「一発目から、推しに認知されるなんて……しず子、やるじゃん」
しずく「認知って……そういうんじゃ……///」
かすみ「よかったね、しず子♪」
しずく「……うん///」
かすみ「あと、さっきの子……あんまり気にしなくてもいいと思うよ」
しずく「え?」
かすみ「しず子を待ってる間に周りのファンの子に聞いたんだけど……あの人、果林先輩が無名だった時代からのファンらしいよ。いわゆる古参ファンってやつ」
しずく「そうなんだ……」
言われてみれば、果林さんも少し砕けた感じに接していた気がする。
確かに、昔からのファンからしたら、新たに現れた人が急に「果林さんみたいになりたい」なんて言い出したら生意気だと思われても仕方ないか……。
かすみ「もういいの?」
しずく「うん……聞きたいことは聞けたから。それに、ずっとこの人込みの中にいるの大変だったでしょ? 待たせてごめんね、かすみさん」
かすみ「うぅん、全然大丈夫だよ。じゃあ、行こっか」
私はかすみさんに手を引かれて、人込みを縫うようにして、会場を後にする。
しずく「──自分を……演じる」
さっき貰った言葉を何度も反芻しながら──
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