52: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/07/27(水) 23:03:09.22 ID:1bYMbS4jO
「そうですか、残念です」
「ななかさんの意向ですから仕方ないです。でも、言伝を頼まれました」
「なんでしょうか?」
「この事件は裏を辿れば、いずれは魔法少女に辿り着くかもしれない。
時期が来るまでは、お互いにかかわらないほうがいいと」
「え!?」
「最近起きてる事件は散発的なものではなくて、計画的なものらしいんです。
神浜市への復讐ではなく、蒼海幇への者である可能性が高い」
「まさか、蒼海幇を追い込んだ警察と犯罪組織が?」
「ほぼ間違いないと言える証拠が見つかったと、連絡がありました。
ななかさんによれば、今の自分たちに関われば、収拾のつかない事態に
陥る可能性があるので、距離を置かせてほしいそうです」
「分かった。ごめんね、迷惑かけちゃって」
「いいえ。声をかけてもらっただけでも、ありがたいと仰ってました。
それと、心許ないですけど、私もしばらくは距離を置かせてもらいます。
フェリシアちゃんに、よろしく伝えて下さい」
「伝えるよ。気を付けてね、かこさん」
「はい。どうか、いろはさんも」
二人は屋上を後にすると、各々帰路につき、いろはは道中でやちよにメールで報告。
返信には、当面はW計画へ注力すること、仕事で帰りが遅くなる旨が添えられていた。
学び舎からの帰り、交差点を通りかかり、向かいのビルの屋外ビジョンに目が向く。
そこには、行方不明だった十代少女が、マンションの一室から救助されたと報道されていた。
事件には暴力団が絡んでおり、十代少女は誘拐されて監禁され、救助されたようだ。
しかし、その人数は一人や二人ではなく、十人を越えるという大事件だった。
いろはは、かこから先ほど聞いた話と事件の関連性を考え、一つの仮説を立てる。
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