230: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/09/22(木) 00:33:21.85 ID:l3Wpp4NBO
その後、W−1は順調に進み、時期を見計らってW−2も開始。
用意が整う今日までの間、世界各地の魔女殲滅は完了に向かいつつあった。
今この瞬間も、他の魔法少女たちは国内、海外で戦いを続け、クリミナルズとの決戦に向けて連携も取っている。
鏡の魔女が最後の魔女となり、殲滅する日も近づいていた。
「僕たちにできる精一杯として、三人の願いは全て叶えた。けれど、本当に願いはもうないのかな?」
「これで私たち、本当にお別れになっちゃうんだよ。もう……会えないんだよ?」
「僕たちにできることなら、他にも願ってくれていいんだよ?」
鶴乃は情勢を考慮して店の再建を諦めた代わりに、自身の技術と知識を跡継ぎを迎えて伝えた。
さなは自身が描き残したかった絵本をすべて描き終え、その管理と出版をねむとレナに委ねた。
桜子は魔翌力に還元されたウワサたちの力を取り込み、さなと入れ替わりにみかづき莊で過ごした。
「|私は、いろはたちから、たくさんの思い出をもらった。私の中に深く刻まれた多くの記憶。
これ以上ない大切なものをもらった。だから、もう大丈夫|」
「私は自分の跡を継いでくれる人が見つかった。それだけで十分。これ以上求めたら未練が出来ちゃうよ」
「私は私の残したいものを、すべて出し切りました。……時間をかけて固めた決心です。どうか鈍らないうちに送り出して下さい」
「そうか……分かった。君たちの意思を尊重し、未来へ送り出そう」
「ごめんね。わたくしたち、丸投げするようなことしかできなくて……」
一行は、存在を秘匿された地下施設へ移動し、収容室と呼ばれる一室に入る。
いろはとやちよが一歩歩み出ると、部屋の中央に視線を走らせた。
そこには人数分のコールドスリープマシンが用意され、取り囲むように多くの機械が並ぶ。
これが未来への希望として、三人を送り出すことになる。
「これが、魔法少女の能力と、現代の科学技術の粋を結集して完成したマシンなのね……」
「ヒヒイロカネで作られた特別製だよ。絶対錆びない金属と魔法少女の能力、現代技術の集大成だよ」
「これなら、必ず未来に渡れるね……」
「やちよさん。織莉子さんとキリカさんは?」
「連絡を取ったけど、所用で数日前から見滝原を離れているみたい。どうしても来れないと返事があったわ」
「何かあったみたいですね、この分だと」
「ししょー……」
「鶴乃?」
「……あ、あのね、時々でいいからさ、私の跡を継いだ人の店に、食事に行ってくれると嬉しいな。
ししょーも、きっと気に入ってくれると思う」
「……分かったわ。きっと食事に行くから、味の感想は未来で聞いてちょうだい」
「ありがとう、ししょー。……フェリシア、いい男性を見つけて幸せな家庭を作るんだよ。
いろはちゃん、ユニオンの新リーダー……ういちゃんのリーダー教育、頑張ってね」
「うん……」
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