175: ◆3U.uIqIZZE[sage]
2022/08/30(火) 16:29:46.37 ID:YmEHP9jHO
「今度は私から質問したいな」
「何でしょうか?」
「話しにくいと思うけど、湯国市に行っていた間、何があったの?」
「……!!」
「いろはさん、叔父様から話があったと思いますの。それ以上のことは」
「那由他様」
「ラビさん?」
「何か聞かれるだろうとは思っていました。お時間は大丈夫ですか?」
「はい。やちよさんには帰りが遅くなることを伝えています」
「那由他様、席を外していただいても構いませんよ」
「私も当事者。一緒にお話しさせていただきますの。というより、私に語らせて下さいですの」
「……分かりました」
「いろはさん。話は撲滅派の説得に向かった日に遡りますの」
那由他が語った内容は、変わり果てた湯国市の現状だった。
太助から話を聞き、自身も湯国市で危険な状況に陥ったことがあったが、
それは氷山の一角でしかなかったことを痛感した。
久方ぶりに訪れた湯国市に、魔法少女は誰もいなくなっており、誰にも
退治されなくなった魔女は放置されてしまい、魔女により多くの住民が
犠牲になってしまっていた。
「街に到着した私たちが最初に見たのは、シャッター通りと化していた商店街でしたの。
以前は営業していた商店は、店主の行方不明により休業するか、閉業していましたの。
これだけ聞くと、よくある過疎化により商店街が廃れたように聞こえますが、実際は
魔女のせいで人がいなくなっていましたの」
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