86: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/11/04(金) 23:44:46.26 ID:g15duR2T0
《《魚雷、発射!!!》》
雷撃報告は、無線を通して両者からほぼ同時に発せられました。十数秒の間を経て、綾波達が砲撃を浴びせている敵前衛の向こう側で立ち上る幾本もの水柱と爆煙。
電探上に表示されている敵艦隊群の反応、その最後尾部分で両側面から次々と赤点が消えていきます。最終的に、その数は30前後にはなったでしょうか。
《こちら白露、今度のいっち番槍は私だよ扶桑さん!!あと魚雷はヲ級Eliteに直撃、旗風の魚雷と併せて之を撃沈せり!!》
《嘘だからね扶桑さん!今回もいっっっっち番速かったのは島風なんだから!!轟沈艦はイ級Eliteを単独、ヌ級通常種を巻雲と共同!戦果だって一番なんだから!!》
《駆逐艦うざ………。えーと、こちら北上。とりあえず後衛艦隊群の混乱は更に拡大してるよ〜。
山城さんの瑞雲との視界同期で確認した限り、撃沈艦は一番バカと速度バカの言ってるやつ以外にヌ級が計10隻、ヲ級が4隻ってところかな。後は護衛の駆逐・軽巡・重巡が各少々って感じ〜》
数的戦果のみで見て、実に半数前後が空母・軽空母の撃沈。仮に綾波が第三者としてその数字を聞いたなら、士気高揚のための過大報告であることを先ず疑うような代物です。
《んで、敵さんはまともな反撃も未だに飛ばせないぐらいグロッキーみたいだけど……どーする?もっとやっとく?》
数字面だけで言ってもこの短時間であの大艦隊が会敵当初の2/3程度まで減少し、しかも此方が包囲下に置いて一方的に攻撃を浴びせている状況。一見すると北上さんの問いが“愚問”ではないかと思えてしまう、追撃継続以外の選択肢が存在しないような圧倒的優勢です。
「いえ、攻撃は停止します」
しかし扶桑さんは、無線に向かって静かにそう告げました。
「航空隊は現存する敵機群の殲滅、或いは退却確認後に母艦へ帰還し補給を。両翼水雷戦隊も後退し主力と合流するように。戦艦他主力艦艇群、副砲による牽制は継続も主兵装の弾薬は正面敵艦隊群に反転の兆候が見られた場合を除き温存態勢へ移行。
後続敵艦隊・航空隊の存在にも留意、厳戒態勢を維持してください」
《右翼主攻艦隊長門、了承した。主砲撃を鈍化・停止させる》
《This is Left-Side Freet,
South Dakota. I agree, Flag.
All unit, Weapon down. Keep potion.》
《左翼水雷戦隊・初春、心得た。皆退がるぞ!島風、止まるのじゃ!》
《あいよ〜。ほら、帰るぞ駆逐艦共〜》
敢闘精神旺盛な──そして、取り分け愚かな──指揮官が耳にすれば、即座に面罵して命令取り消しを主張するであろう、ともすれば消極的とさえ取れる指示。
しかし比較的血の気の多い方が集まっている印象の長門さんや、“艦時代”には霧島さんと直接砲火を交えた経験もあるサウス・ダコタさんも、全く異論を挟むことなくあっさりと指示に従って攻め手を止めていきます。
311Res/557.96 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20