8: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/09(土) 23:30:10.28 ID:Y1RgXn6e0
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気障ったらしい言い回しだが、光ってのは人間にとって希望の象徴とされている。
宗教絵画で描かれる天国は大抵の場合暖かな光に満ち溢れてるし、神話じゃプロメテウスが「火」という光を与えた結果人間は文明を手に入れた。
月明かりや星明かり、オーロラや虹はいかなる時でも美の象徴であり、それこそ“希望の光”なんて言葉も存在する。
ただ、俺の個人的な見解は別だ。
剣や槍、鏃、盾に鎧、ヤパーヌの刀、どこぞの王様が考案した そいつ自身が最初の犠牲者になっちまったって話の断頭台。より良い鉄を使うほど、より腕のいい職人が鍛えるほど、これらの切っ先は強い輝きを放つ。
銃が開発されてからは、コイツが一回光る度に必ず誰か死ぬようになった。大砲で死ぬ人数が数十人に、航空爆弾で数百人に、ミサイルで数千人に増えた。
それこそこれらが放つ「火」で焼かれる街や村や人なんてもんは、戦場じゃあ一種の風物詩だ。極めつけの核兵器は、街どころか国すら吹っ飛ばせる。
ご覧の通り、戦場では“光”なんざ見ずにすむならそれに越したことはない。伴うのは希望どころか、絶望と死だからな。
例えば今この瞬間俺たちの目の前で、地平線の彼方で瞬く無数の“光”なんかは。
『『『『──────ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ッ!!!』』』』
('A`;)「砲弾正面、回避急げ!!」
(*;゚∀゚)「Jaworl!!」
深海棲艦の連中による艦砲射撃の発射炎なんかは、その典型だろうよ。
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