277: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2024/07/22(月) 23:20:48.77 ID:XXdSh8X20
…………。その上で一つ、気にかかる。
「処置完了だ。未だ行けるな!?」
「勿論ですよ、このままじゃ終われません!!」
「よく言った、それでこそ日本男児だ!!」
「こんなの、足の甲に徹甲弾落とした時と比べれば擦り傷みたいなもんです!」
「流石は戦車道元日本代表候補ってところかしら?心配損だったみたいね、次は誰?!」
この異様なまでの、人々の士気の高さが。
「包帯と湿布寄越してくれ!とりあえず宮西は応急処置で大丈夫とのことだ!」
「重傷者はいる?戦えない程の怪我や症状が出てる人は申し出て頂戴!……申し訳ないけど“噛み跡”は確認させてもらうわよ!今のところなさそうとはいえ、【T-ウイルス式】の可能性は未だゼロになったわけじゃないからね!!」
「途中で艦娘が来てくれたとはいえあの大群に2度も襲撃されて死者が1人も出てないなんて……これが、西住流………!」
「ああ、この調子なら本当に………!」
保安官達だけじゃない。非戦闘職………服装的にヘタしたらズブの一般人さえ混じっていそうな衛生班も、忙しなく負傷者の治療に飛び回りながら軽快活発に会話を交わしている。
無論疲労や焦りは見られるが、恐怖、絶望といった色が驚くほど薄い。
………喜ばしいことよね、本来なら。意気消沈し、恐慌に駆られ、悲嘆に染まった集団を率いて戦うよりは、今の有り様の方が余程やりようはある。
けれど、私はそれを覚悟の上でここを目指していた。
非戦闘員・一般乗員・学園生徒は言うまでもなく、学園艦保安隊だってあくまで本質は警察組織。
艦内比では図抜けた武力の持ち主であれど、自衛隊や艦娘のように深海棲艦との直接的な戦闘を想定した組織・集団じゃない。
ましてや今回は艦娘ですら──私も“実体験”は今日が初めてだもの、ムルマンスクでは留守番だったから──ごく一握りしか経験したことがない未曾有の事態。仮に保安官であったとしても、パニックに陥ったり特に【暴徒】への対処の戸惑いから戦意を喪失することは十分に有り得る。
寧ろ、それこそが“自然”な状況よ。昨日まで普通に生活していた居住者や観光客が突然深海棲艦の眷属に成り果てて暴れ出し、深海棲艦そのものも何百何千と艦内や周辺の海に現れて本土に砲弾ぶっ放し始め、外界には禄に連絡すら出来ず救助や援軍の目処不明。
こんな有り様を、つい今朝方まで普通の世界で生きてきた人間があっさり受け止められると思う?そんなの、頭のネジが一本たりとも残っちゃいない“海軍”の連中だけで十分だわ。
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