248: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/07/26(水) 21:45:09.02 ID:1kNqHEos0
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(´<_`;)「……………おいおいおいおいおいおい!!!」
日本海上自衛隊一等海曹・流石乙矢(サスガ・オトヤ)は、双眼鏡越しに目にした光景に驚愕を禁じ得なかった。
共に布陣し防御陣地の設営──と言っても瓦礫の排除と塹壕掘りぐらいのものだが──を行っていた艦娘から言われた、「大洗女子学園の甲板上で深海棲艦のものではない“砲撃”が見える」という報告。
そんなことはありえない、どうせ気の所為、良いとこ深海棲艦の砲撃が暴発したのを見間違えでもした……要はただの誤報だと乙矢は考えていた。実際、大洗町並びに大洗女子学園が置かれている現状を鑑みればその判断が真っ当だ。
だがその艦娘が余りにもしつこく確認を求めるものだからメンツを立ててと双眼鏡で覗き込めば──今まさに、小さく弱々しいものではあるが、船尾の軽空母ヌ級Flagshipに間違いなく“砲撃”が突き刺さったのだ。
「ほーれ見たことか!それ見たことか!!あったっしょ!?やっぱあったっしょ弟さん!!?」
(´<_`;)「解った解った、俺も間違いなく見た!!」
艦娘としての優れた視力を以てやはり今の光景を視認していたらしい“報告者”───重巡洋艦・鈴谷に激しく肩を揺さぶられながら、乙矢も首肯する。
鈴谷のはしゃぎぶりは戦場にあるまじき、厳しい鎮守府ならそれだけで懲罰房送りにされかねないものだったが、乙矢としては初動でやや邪険に扱ってしまった負い目がある為不問にすることとした。
(´<_`;)「一先ずCPに至急連絡繋げるぞ!学園艦上で深海棲艦と交戦する存在が確認されたと………」
「なんて?」
(´<_`#)「だから大洗女子学園の甲板上で────」
肩を叩かれ、やや苛立ち気味に振り返ると、そこにあったのは迷彩服に包まれた分厚い胸板だった。
兄共々身長180cmを越え日本人の平均値を大きく突き放した身長を持っているにも関わらず、声が“頭上”から聞こえていた事に乙矢は気づく。
そしてよくよく見れば、左胸には菊の花と船の錨を組み合わせたような──国内において“提督”業に従事するもの全員が着用を義務付けられた胸章が縫い付けられている。
日本国内で用いられているものと違い、その色はまるで夕闇を切り抜いたような漆黒だったが。
「いや、急いでるところすまねえな。ただ、俺としても今し方気になる単語が耳に届いちまったもんでな」
(´<_`;)「………」
先程の慌てぶりはどこへやら、ゆっくり恐る恐る顔をあげると、そこには─────
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