159: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/02/25(土) 23:38:01.25 ID:0Lt92TP40
放置車両を飛び越え、弾ける銃火をくぐり抜け、爆煙の只中に突っ込む。肉食獣から逃げるカモシカの如く靭やかに、獲物を追うヒグマの如く獰猛に駆け、一息で距離を詰める。
あっという間に敵兵の懐を取った挙母が次に取った行動は、殴打。原始的で単純、故に出が早く実行するだけなら特別な技量を要さない、最も基礎的な攻撃行動。
殺傷能力は使われるモノによってくるが、フル装弾されたMINIMI軽機関銃の銃床を利用したならそれは当然十分に確保される。
160: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/02/25(土) 23:39:31.72 ID:0Lt92TP40
「ゴフッ、ギッ、グガッ………」
膝打ちを腹に入れ、掌底で地面に叩き伏せ、頚椎を踏みつけ圧し折る。流れるような殺戮動作の延長で前転し、振り向きざまにMINIMIを膝立ちで構える。
「「ガァッ!!?」」
161: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/02/25(土) 23:43:03.59 ID:0Lt92TP40
そして、更に驚くべき事実が一つ。
華奢な身体つき、挙母のせいぜい胸辺りという──挙母側が異様であることを差し引いても──決して高いとは言えない背、爆風に靡く長いブロンドの髪、透き通るような白い肌、悪態と思わしき言葉を発した声の高さ。
この“ガンマン”は、女だ。
162:名無しNIPPER[sage saga]
2023/02/27(月) 10:04:25.20 ID:vjNZ8XHM0
更新おつです
母は強し、と言えども普通は軽機関銃を手持ちで撃てませんね
そんなことできるのはシュワルツェネッガーだけw
163: ◆vVnRDWXUNzh3[saga]
2023/03/16(木) 22:57:16.50 ID:YzHzCrxO0
そこから本格的な銃撃戦が始まったが、
@# _、_@
( ノ`)(まぁ、これもあまり喜ばしくはないね)
164: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/03/16(木) 22:59:55.19 ID:YzHzCrxO0
@# _、_@
(♯ ノ`)「No prisoners! Kill them all!!」
(訳:敵に虜囚の辱めを与えては日本の武士道に背きます、丁重に全員地獄に送って差し上げてください)
「Yes Mom!!
165: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/03/16(木) 23:01:57.75 ID:YzHzCrxO0
「グゥ………アッ………ァガッ!?」
「ギャッ」
「xxXx………ヘルッ」
166: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/03/16(木) 23:05:41.03 ID:YzHzCrxO0
人と同じ感情を持ち、一部は人以上に誇り高い筈の彼女たちが、何故“あんなモノ”に従っていたのか。無論生まれた時からそうなるように教育(或いは……プログラミング)されていたからというのは大きいだろう。
だが、この【保証書】という側面を持つ故に、艦娘達にある種の怠惰が、“依存”が生まれていたこともまた事実ではないか。
一先ずは“それ”さえ護っていれば、制限下の“自由”を得られるのだから。生を受けたその瞬間から、彼女たちには“それ”が存在するのだから。“それ”を絶対視し、諦観し、遵守していれば、後は「提督」の指示に従うだけで自分達では何も考えずに済むのだから。
167: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/03/16(木) 23:07:54.56 ID:YzHzCrxO0
第一項。深海棲艦に対する利敵行為を認められた国家、個人、団体に関しては、例えそれが人間であったとしても“敵性”であると認定し攻撃することを認む
第二項。艦娘は自身の任にそぐわない行為・行動・思想を強要する存在に対して、第一項の抵触者と見なして無制限に抵抗する権利を有する
第三項。艦娘は全ての対深海棲艦を主とする軍事行動に関して、無制限に発言権を認める。また、これを理不尽に阻害する存在に対しては第一項の適用を認む
168: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/03/16(木) 23:09:38.37 ID:YzHzCrxO0
各部隊に渡された武器弾薬と医療品の中で、やたらと量が多かった鎮静剤の意味が今なら解る。
水戸市への派兵に際してあの首相は、ある程度こうした事態になる可能性を危惧していたのだ。
そして不幸にも、その危惧は完璧に当たってしまった。
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