勇者「魔王は一体どこにいる?」の続編の完結
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863:名無しNIPPER[sage saga]
2023/03/26(日) 09:34:46.25 ID:RKoe7B/E0
『船尾楼』


ガチャガチャ


学者「ちっと兄貴ぃ!!今ポーション作ってる所なんで散らかさんで下せぇ」

盗賊「なんだもっと隅っこでやってろっての…」

学者「今回手に入れた書物…これスゴイ発見っすよ?」

盗賊「俺は分からん…賢者の石の作り方とかそんなんだろ?」

学者「それもそうなんすが…命の不等価性…これの法則っすね」

盗賊「なんのこっちゃ?」


金属とかの無機物はその価値が質量に依存してるんす

黄金は重たいほど価値がありやすよね?

ほんで植物とか動物の価値は…環境で価値が変わるっていう理論なんす

まぁ簡単に言うと…兄貴みたいにゴミ食って育った環境の方が命の価値が高い

それを植物に置き換えると錬金術で作れるポーションとかもっと効果を伸ばせるんすよ


盗賊「ほーん…」ハナホジー ポイ

学者「あ!!今鼻ほじりやしたね?そういう物の価値が高い可能性があるんす」

盗賊「お前俺の鼻くそが欲しいんか?」

学者「ちっと良く思い出して下せぇ…ミライ君はゴミだと思った物を上手く使いやすよね?」

盗賊「まぁ確かに…」

学者「錬金術も同じ様にゴミだと思った物から良い物が作れるんす…誰も食い付かん毒キノコなんか良い例っすね」

盗賊「それが命の価値の高さ…なのか?」

学者「命の価値っていうとなんか言い方悪いっすね…成熟した魂…うーんなんて言えば良いんすかねぇ…」

盗賊「じゃぁ難破船で助けた小僧が持って居た石…」

学者「…」ピタ

盗賊「あれは命の価値の高い成熟した魂を持って居た誰かの結晶…そういう事だな?」

学者「はっきり言いやすと…その通りっす…書物に全部書いてありやす」

盗賊「俺は姉御の牙を大事にしている様に…あの小僧はその誰かを大事にしてる訳か…」

学者「まぁそこら辺の話はもう済んだ話なんでそっとして置きやしょう」

盗賊「ふむ…」

学者「実はっすね…この書物には錬金術の事だけじゃ無くて…この世の成り立ちも少し記されてるんすよ」


輪廻転生って言うらしいんすが…

この世界はそもそも地獄で…人間は魂の価値を高める為に何度も生まれ変わる…

そうやって魂の価値を高めた後に悟りを開くことで神と同化する…

超古代ではそんな教えが有った様なんす

なもんで遺跡で発見されたミイラは悟りを開いた神だった可能性がありやす


盗賊「その神を食らってエルドリッチになっちまったってか…」


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