165:名無しNIPPER[sage saga]
2022/11/16(水) 19:24:23.35 ID:Xx1bIi7d0
『鯨型飛空艇』
スヤ スゥ…
情報屋「あら?ホムンクルスも寝て…」
商人「本当だね…自然と寝てるのは始めて見たよ…いつもはスリープモードだとか言ってたけど」
情報屋「少し炉を温めるわ…」グイ シュゥゥゥ
商人「湯も沸かそうか…」
魔女「ふむ?…」ゴシゴシ
商人「あぁゴメン起こしちゃったね」
魔女「焚火が気持ち良うて寝てしもうたのぅ…」
商人「まだ寝てて良いさ…夜が短いから明るくなってるけど本当はまだ寝てても良い時間さ」
情報屋「もう慣れてしまったせいかも知れないけれどこの狭い飛空艇の中も結構落ち着ける場所ね」
商人「そうかい?」
情報屋「もう20年も前からこの空間はあの時のままなのよ…」
商人「え?」
情報屋「この飛空艇はもともとアサシンの持ち物だったの…盗賊ギルドに居た頃何度か乗ったのよ」
商人「そうだったんだ…じゃぁこの飛空艇は僕達の歩みを全部見て来たんだね」
情報屋「そう…だからとても落ち着ける場所」シンミリ
魔女「剣士や女エルフが座る場所も決まって居ったな…」
情報屋「女エルフが手を置いた場所に同じ様に手を置いて…何を想ったのか想像する事があるわ」スッ
商人「もしかして何か聞こえる?」
情報屋「何も…でも頭の中で思い描く」
商人「それって命の声じゃ無いか?」
情報屋「え?」
商人「君の中に居るもう一人の君が話しかけているんじゃないか?」
情報屋「どうなんだろう?」ハテ?
商人「僕はね…自分の体は自分の考えで動かしてる訳じゃ無いと思うんだ…」
商人「何かに動かされて居るのを後から自分で動かしたと錯覚してる…つまりもう一人の自分が居るんだよ」
情報屋「私の思考は後から理由付けをする思考…確かにそんな感覚はある…」
商人「もう一人の自分は何に基づいて動くのか…それは心の中の声…命の声さ」
魔女「哲学じゃのぅ…」
商人「アヌが語る神の声は…多分この部分を狂わせる…生きる行動原理を阻害する…だから戦争が終わらない」
情報屋「それはあなたが不死者だから気付けた事?」
商人「そうかもね…体が勝手にゾンビみたいに動いてしまう…僕の意思とは無関係に…ホムンクルスが自由に動けないのも同じ原理さ」
---命の声に従って居るのさ---
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