萩野千尋「ハクは優しいね」饒速水琥珀主「そして、愚かだ」
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名無しNIPPER
[sage saga]
2022/04/26(火) 23:26:16.45 ID:Oi28gO83O
「どうしたらハクは元に戻るの?」
「だからもう元には……」
「お願い、ハク。正気に戻って……?」
ああ千尋。そんな哀しい顔をしないでくれ。
「全てを捨てて、自分自身を君に捧げたい」
「ハク……」
「それを望まないことはわかってる。でも」
「わかった」
わかってくれたか。優しいな。それなのに。
「もういい」
「千尋……?」
「ハクがその気なら考えがある」
意図がわからず首を傾げるとこう囁かれた。
「また苦団子を食べさせてあげる」
「っ……!?」
胃液が迫り上がる。どうせハッタリだろう。
「そんなもの、どこに……?」
「いま出すから受け取ってね」
「え……?」
ぶりゅっ! 排泄音と共に手のひらに感触が。
「今度のは口に合うといいね」
「フハッ!」
合うに決まってる。苦団子じゃなく糞団子。
「フハハハハハハハハハハハッ!!!!」
千尋。君が迷い込んだあの日を、忘れない。
「ハク……もう平気?」
「ふぅ……じき夜が来る。帰ろう」
「紙がないから拭けない。お洗濯しないと」
「ふふっ。リンに叱られるかも知れないね」
「その時は助けに来てくれる?」
「大丈夫。なにも心配はいらないよ」
もちろん叱られるのは私で、それが役目だ。
「ハクは優しいね」
「そして、愚かだ」
その証拠に千尋の糞団子をまた手離せない。
「ハク……そろそろ」
「振り返らずにお行き」
「お願い。お尻から手を離して」
「ああ、ごめんよ……許しておくれ」
優しく添えた手を離せない。竜は、愚かだ。
【ハクと千尋の紙隠し】
FIN
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