30: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2022/04/24(日) 05:18:56.71 ID:bGZxlAIa0
「……どうして?」
「……? どうしたんですか、プロデューサーさん?」
小首をかしげながらまゆが近づく。その足取りが普段と違った。
何かをかばうように小股で――痛みを避けるような歩き方が、夢の中の蛮行を思い出させる。
あれは――アレは、夢ではなかった。
アレは都合の良い妄想なんかじゃなく、俺がそろそろ限界を超えるだろうと察したまゆが心配して――心配は本心だが、それとは別の思惑を持って、俺の家に入り込んだんだ!
「フフ、プロデューサーさんは、誰よりもまゆの幸せのコトを考えてくれていますよね?」
まゆが近づく。一歩一歩ゆっくりと、勝利を確信した笑みを浮かべながら。
その笑みは天使ではなく小悪魔のモノで――それなのにどうしようもなく尊いと思えるものだった。
それを俺に向けてくれる事に、泣きたいほど嬉しかった。
「まゆ……ビックリしました。初めてなのに、あんなに激しく……でも情熱的に求められるだなんて」
恥ずかしそうにうつむくまゆに、再び獣の衝動が沸き起こる。
一度外れたタガは、もう壊れて使い物にならなくなったのか。
やめろ、止まれ。
頭の隅から声がする。残された理性が警告を発する。
もう間に合わない、確かに手遅れだ。しかしそれは罪を重ねる理由にはならないと、哀れなほど必死に叫ぶ。
そしてその残された理性も――次の瞬間にはじけ飛んだ。
「まゆの幸せを考えてくれるのなら……大切な初めてを、あ〜んなに乱暴に奪った責任、取ってくださいね♪」
〜 Happy End 〜
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